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2020.07.15

8月公開作品 決定についてのお知らせ

新型コロナウィルスの影響により公開変更を重ねてきました英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2019/20ですが8月14日(金)からの公開が新たに決定致しました。つきましては以下の通り発表をさせて頂きます。

新しい日程及び作品(7月15日付け)
・8月14日(金)ロイヤル・オペラ「ラ・ボエーム」1月29日収録作品
・8月21日(金)ロイヤル・バレエ「コッペリア」(再上映)2019年12月10日収録作品
・8月28日(金)ロイヤル・オペラ「フィデリオ」3月13日収録作品
・9月4日(金)ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」(再上映)1月16日収録作品

※公開劇場
TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ日本橋、イオンシネマ シアタス調布、TOHOシネマズ流山おおたかの森、TOHOシネマズららぽーと横浜、TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ西宮OS、イオンシネマ京都桂川、札幌シネマフロンティア、フォーラム仙台、中洲大洋劇場

※今シーズン公開を予定していましたロイヤル・バレエ「ザ・チェリスト」「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」につきましては諸般の事情から公開ができなくなりました。
代わりまして、今年1月に公開し、御好評を頂きました「コッペリア」を再上映させて頂きます。ロイヤル・オペラ「フィデリオ」につきましては、3月16日ロイヤル・オペラ・ハウス閉鎖の3日前に既発表とは別のキャストにて収録されていたものになります。9月4日からのロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」は6月に公開しました作品の再上映です。金子扶生(ふみ)がオーロラ姫を演じ堂々のシネマシーズン主役デビューを飾った作品です。それぞれの作品に共通しますがシネマシーズンならではの映画館でしか味わえない、大画面での細部まで堪能できる映像と迫力ある音響で臨場感をお楽しみ頂ければ幸いです。

英国ロイヤル・オペラ・ハウスと共に今後の皆様のご健康をお祈り致します。来シーズンに向けての更なるご厚情を賜りたく、切にお願い申し上げます。

2020年7月15日
東宝東和株式会社

2020.06.15

ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』<タイムテーブルのご案内>

金子扶生 堂々の主役(オーロラ姫)でスクリーンに登場!

初々しくも緊張感にあふれたローズ・アダージオから、抒情的でロマンティックな幻影のパ・ド・ドゥ、そして華麗なグラン・パ・ド・ドゥまで、オーロラ姫の役はクラシック・バレエの中でも技術的にも、表現的にも難しい大役。映画館上映では当初ローレン・カスバートソンが踊る予定だったが、収録当日に怪我によって降板。急きょ当日はリラの精を踊る予定だったファースト・ソリストの金子扶生が異例の抜擢で見事に踊りきり、堂々とした華やかさと優雅でクリアな踊りにより新世代スターの誕生を印象づけた。端正なパートナーリング技術と、エレガンスを備えたフェデリコ・ボネッリの王子、そして超絶技巧を見せる青い鳥にマシュー・ボール、フロリナ姫にヤスミン・ナグディと人気の若手プリンシパルを配置した贅沢なキャスティング。これぞ究極の古典バレエという見ごたえたっぷりの壮麗な世界を体験してほしい。

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【振付】マリウス・プティパ
【追加振付】フレデリック・アシュトン、アンソニー・ダウエル、クリストファー・ウィールドン
【プロダクション】モニカ・メイソン(ニネット・ド・ヴァロワとニコライ・セルゲイエフに基づく)【美術】オリバー・メッセル【デザイン追加】ピーター・ファーマー
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー【指揮】サイモン・ヒューイット

【出演】オーロラ姫:金子扶生  フロリムント王子:フェデリコ・ボネッリ
国王フロレスタン24世:クリストファー・サウンダース お妃:エリザベス・マクゴリアン カタラビュット:トーマス・ホワイトヘッド
カラボス:クリステン・マクナリー フロリナ姫:ヤスミン・ナグディ 青い鳥:マシュー・ボール
英国の王子:ギャリー・エイヴィス  フランスの王子:ニコル・エドモンズ  インドの王子:デヴィッド・ドネリー  ロシアの王子:トーマス・モック
伯爵夫人:クリスティーナ・アレスティス  フロレスタン:ジェームズ・ヘイ  フロレスタンの姉妹:マヤラ・マグリ、アナ・ローズ・オサリヴァン
長靴を履いた猫:ポール・ケイ  白猫:レティシア・ストック  赤ずきん:ロマニー・パイダク  狼:ニコル・エドモンズ
~プロローグ~
澄んだ泉の精&騎士:ロマニー・パイダク&アクリ瑠嘉  魔法の庭の精&騎士:マヤラ・マグリ&ヴァレンティノ・ズケッティ 森の草地の精&騎士:クレア・カルヴァート&カルヴィン・リチャードソン  歌鳥の精:アナ・ローズ・オサリヴァン&ジェームズ・ヘイ  黄金のつる草の精&騎士:崔 由姫&セザール・コラレス リラの精&騎士:ジーナ・ストーム=ジェンセン&ニコル・エドモンズ

2020.06.05

ロイヤル・バレエ『ドン・キホーテ』<タイムテーブルのご案内>

元プリンシパルで世界的スター、カルロス・アコスタが振付けたバレエの楽しさが詰まった陽気な作品。

主役キトリはプリンシパル・ダンサーの高田茜!

ガラ公演でも頻繁に上演される3幕の結婚式の華やかなパ・ド・ドゥには、32回転のグラン・フェッテ、男性ダンサーのダイナミックな跳躍など見せ場がたっぷりある一方、2幕では、森の女王や妖精たちが登場し美しいクラシック・バレエの粋が味わえる。闘牛士や踊り子、ジプシーなど生き生きとしてパワフルな登場人物たちのコミカルなやり取りとスピーディな場面展開が、憂鬱な気持ちも吹き飛ばしてくれる最高の娯楽作だ。日本人プリンシパルの高田茜が主演するのも話題である。

英国ロイヤル・バレエ芸術監督ケヴィン・オヘアは、就任後の最初の大きな仕事として、しばらく上演が途絶えていた『ドン・キホーテ』の新しいプロダクションを構想。2013年、バレエ団を代表する人気ダンサー、カルロス・アコスタが抜擢され初の全幕作品に取り組み、初演では自ら主演した。舞台上でダンサーたちが賑やかな掛け声をかけ、テーブルや馬車の上でも踊り、スペインの街角の雰囲気を出すために、街の人々もたっぷりと踊りを見せる等、陽気な娯楽性をさらに追求した。また2幕では、ロマンティックなパ・ド・ドゥが加えられたほか、ジプシーの野営地では舞台上にミュージシャンが登場して演奏し、新しい振付も登場してエキゾチックな雰囲気を盛り上げた。舞台装置が出演者によって動かされることでさらに活気ある舞台に仕上がり、3幕のフィナーレもより祝祭性の高いものに。ドラマティックな演技を得意とするロイヤル・バレエのダンサーたちは作品に厚みを加え、一人一人の物語がくっきりと浮かび上がってより魅力的な舞台となった。

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【振付】マリウス・プティパ 【追加振付】カルロス・アコスタ 【音楽】レオン・ミンクス 【指揮】マーティン・イエーツ
【出演】ドン・キホーテ:クリストファー・サウンダーズ、サンチョ・パンサ:フィリップ・モーズリー、キトリ:高田茜、バジル:アレクサンダー・キャンベル
エスパーダ:ヴァレンティノ・ズケッティ、メルセデス:マヤラ・マグリ、キトリの友人:崔由姫、ベアトリス・スティクス=ブルネル
キューピッド:アナ・ローズ・オサリヴァン、ドルシネア:ララ・ターク、ドリアードの女王:金子扶生
ロレンツォ(キトリの父):ギャリー・エイヴィス、ガマーシュ:トーマス・ホワイトヘッド

2020.06.05

ロイヤル・バレエ『マノン』<タイムテーブルのご案内>

美しい少女マノンの愛の悲劇を描いたフランスの小説「マノン・レスコー」をもとにした、ケネス・マクミラン振付作品。恋に落ちたマノンとデ・グリューは駆け落ちするが――。
英国ロイヤル・バレエ団で活躍する日本人プリンシパルの平野亮一がマノンの兄レスコー役で出演。確かな技術に裏打ちされた酔っ払いの演技とダンスも必見!

バレエの中でも最もドラマティックで破滅的な作品のひとつである、ケネス・マクミラン振付の『マノン』。美しく衝動的な少女マノンは、若くハンサムな学生デ・グリューと出会って恋に落ちる。しかし、兄レスコーの手引きから富豪ムッシューG.M.から愛人にならないかと誘われたマノンは、デ・グリューとの愛と、G.M.との豪華な生活の間で引き裂かれる――。

原作はアベ・プレヴォによる18世紀のフランスの小説「マノン・レスコー」でオペラや映画にもなった。マクミランは1974年のバレエ初演時、オペラ版も手掛けたジュール・マスネの音楽を用いたが、オペラと同じ曲は一切使用していない。現在のバージョンは2011年に今回の指揮も手掛けたマーティン・イエーツが、マスネの既成の曲を最初からまるでこのバレエのための音楽として書かれたように再構成して完成させた。最後のマノンとデ・グリューが逃げ込んだ沼地で繰り広げる“沼地のパ・ド・ドゥ”が胸を打つ。

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【振付】ケネス・マクミラン 【音楽】ジュール・マスネ 【指揮】マーティン・イエーツ
【出演】サラ・ラム(マノン)、ワディム・ムンタギロフ(デ・グリュー)、平野亮一(レスコー)、イツァール・メンディザバル(レスコーの愛人)、ギャリー・エイヴィス(G.M.)

2020.06.01

公開決定についてのお知らせ

新型コロナウィルスの影響により公開変更を重ねてきました英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズンですが、映画館の再開に伴いまして6月5日(金)からの公開が決まりました。つきましては以下の発表をさせて頂きます。

以下新しい日程及び作品(6月1日付け<※一部劇場を除く>
<6月公開作:英国ロイヤル・バレエで活躍する日本人ダンサー作品特集>
・6月5日(金)ロイヤル・バレエ「マノン」(平野亮一)シーズン2017/18作品
・6月12日(金)ロイヤル・バレエ「ドン・キホーテ」(高田茜)シーズン2018/19作品
・6月19日(金)~2週間 ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」(金子扶生)

併せまして「眠れる森の美女」以降、公開が予定されています「ラ・ボエーム」、「ザ・チェリスト」「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」、「フィデリオ」につきましては公開日の調整などが決まり次第改めて発表させて頂きます。

英国ロイヤル・オペラ・ハウスと共に今後の皆様のご健康をお祈り致します。また更なるご厚情を賜りたく、切にお願い申し上げます。

2020年6月1日
東宝東和株式会社

2020.05.07

再度の公開変更についてのお知らせ

先日5月1日に英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2019/20 で5月8日(金)からの公開作品につきまして以下の発表をさせて頂きました。

以下変更日程及び作品(5月1日付け)<※一部劇場を除く>
<5月公開作:英国ロイヤル・バレエで活躍する日本人ダンサー作品特集>
・5月8日(金)ロイヤル・バレエ「マノン」(平野亮一)シーズン2017/18作品
・5月15日(金)ロイヤル・バレエ「ドン・キホーテ」(高田茜)シーズン2018/19作品
・5月22日(金)~2週間 ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」(金子扶生)

※大変残念ではありますが5月4日の緊急事態宣言の延長を受けまして映画館の休館が
続いております。それに伴いまして公開が延期となります。改めて公開が決まり次第、発表させて頂きますのでご了承下さいますよう、お願い申し上げます。

※併せまして「眠れる森の美女」以降、公開が予定されていました「ラ・ボエーム」、「ザ・チェリスト」「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」、「フィデリオ」につきましても同様に公開日の調整などが決まり次第改めて発表させて頂きます。

英国ロイヤル・オペラ・ハウスと共に1日でも早くエンタテインメントを楽しめる日常が戻る事と、皆様のご健康をお祈り致します。また更なるご厚情を賜りたく、切にお願い申し上げます。

2020年5月7日
東宝東和株式会社

2020.05.01

公開変更についてのお知らせ

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

このたび、英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2019/20 で5月8日(金)より公開が予定されておりましたロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」以下、今シーズン予定されていました作品につきまして、ロイヤル・オペラ・ハウス側からの要請と協議の結果、下記の通り公開日の変更、及び予定されておりました作品の上映中止となりましたことをお知らせ致します。
以下、予定されていました公開日及び作品です。

・5月8日(金)ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」
・5月15日(金)ロイヤル・オペラ「ラ・ボエーム」
・5月22日(金)ロイヤル・バレエ「ザ・チェリスト」「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」
・5月29日(金)ロイヤル・オペラ「フィデリオ」
・7月17日(金)ロイヤル・バレエ「白鳥の湖」
・7月24日(金)ロイヤル・オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」「道化師」
・7月31日(金)ロイヤル・バレエ「ダンテ・プロジェクト」
・8月7日(金)ロイヤル・オペラ「エレクトラ」

残念ながらロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスが3月16日の公演を最後にその後の公演がすべて中止となってしまいました。また日本でも緊急事態宣言により映画館が休館中でもあります。つきましては以下の通り公開作品の変更及び公開日程の変更をご案内させて頂く事になりました。楽しみにお待ち頂いておりますお客様には大変申し訳ありませんが、何卒ご了承頂きますよう、宜しくお願い申し上げます。

以下変更とさせて頂きます。またコロナウイルスの影響により、更に変更なども生じる可能性もございます。併せてご了承の程お願い申し上げます。

以下変更日程及び作品(5月1日付け)<※一部劇場を除く>
<5月公開作:英国ロイヤル・バレエで活躍する日本人ダンサー作品特集>
・5月8日(金)ロイヤル・バレエ「マノン」(平野亮一)
・5月15日(金)ロイヤル・バレエ「ドン・キホーテ」(高田茜)
・5月22日(金)~2週間 ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」(金子扶生)

※5月公開作につきましては、過去シーズン2017/18 と 2018/19において好評を博した日本人ダンサー、プリンシパルの平野亮一さん出演の「マノン」と、同じくプリンシパルの高田茜さんが主役キトリを演じた「ドン・キホーテ」、更にシネマシーズンで堂々の主役に抜擢された金子扶生(ふみ)さんの「眠れる森の美女」をお届け致します。

※「眠れる森の美女」以降、本来5月に公開が予定されていました「ラ・ボエーム」、「ザ・チェリスト」「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」、「フィデリオ」につきましては、作品の字幕入れ作業の完成と公開日の調整などが決まり次第改めて発表させて頂きます。

※予定されていました「白鳥の湖」から「エレクトラ」までの4本につきましては、本国での公演が中止となりました為、残念ではありますが、公開が叶わなく上映中止となります。

※5月1日以降6日までの連休期間中に、再度緊急事態宣言の延長により、映画館の休館が
延長になる場合は、それに伴いまして公開が延期となります。追って発表させて頂きますのでご了承下さいますよう、お願い申し上げます。

英国ロイヤル・オペラ・ハウスと共に皆様のご健康をお祈り致します。また更なるご厚情を賜りたく、切にお願い申し上げます。

2020年5月1日
東宝東和株式会社

2020.01.14

ロイヤル・バレエ『コッペリア』<タイムテーブルのご案内>

 Cast Swanilda: Marianela Nunez, Franz: Vadim Muntagirov, Dr Coppélius: Gary Avis, Coppelia; Asley Dean, Aurora; Claire Calvert, Prayer; Itziar Mendizabel, Conducted by Barry Wordsworth

コミカルな人形振りから、クラシック・バレエの粋まで楽しめる
ロマンティック・コメディの名作が、久しぶりにロイヤルの舞台に帰ってくる!

『コッペリア』はE.T.A.ホフマンの小説「砂男」を原作とし、1870年にパリ・オペラ座で初演。美しい人形コッペリアに恋したフランツとその恋人スワニルダ、そしてコッペリアを生み出したコッペリウス博士が織りなす、ロマンティック・コメディ。

英国ロイヤル・バレエで踊られているのは、バレエ団創設者ニネット・ド・ヴァロア版で、1954年の初演からレパートリーとして大切に踊られてきた。クラシック・バレエの技巧からコミカルな人形振り、民族舞踊までちりばめられ、ドリープ作曲による美しいメロディと共に、幅広い世代に愛されている。マリアネラ・ヌニェスのコメディエンヌぶり、ワディム・ムンタギロフの華麗な超絶テクニックは必見。
尚、特別映像の中にはデビュー時のヌニェスの姿が映るが、その時主役スワニルダ役を演じたのは吉田都だった。

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【振付】二ネット・ド・ヴァロア(イワ-ノフ、チェケッティ原振付)
【音楽】レオ・ドリーブ 【指揮】バリー・ワーズワース
【出演】スワニルダ:マリアネラ・ヌニェス フランツ:ワディム・ムンタギロフ
コッペリウス博士:ギャリー・エイヴィス 市長:クリストファー・サウンダース 宿屋の主人:エリコ・モンテス
スワニルダの友人:ミカ・ブラッドベリ、イザベラ・ガスパリーニ、ハンナ・グレンネル、ミーガン・グレース・ヒンキス、ロマニー・パイダク、レティシア・ストック
ペザントの女性:マヤラ・マグリ 公爵:ルーカス・ビヨルンボー・ブレンツロド
オーロラ(曙):クレア・カルヴァート 祈り:アネット・ブヴォル

2020.01.08

ロイヤル・バレエ『コンチェルト/エニグマ・ヴァリエーション/ライモンダ 第3幕』<タイムテーブルのご案内>

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『コンチェルト』は、ドミトリー・ショスタコーヴィッチのピアノ協奏曲2番に乗せたマクミラン振付による作品。闊達な第1楽章、バーレッスンを模したパ・ド・ドゥが比類なき美しさを見せるゆっくりとした第2楽章、そして第1、第2楽章のソリストにコール・ド・バレエを加えて楽譜の上を走り回るような第3楽章。全編に渡るダンサーたちの見事な音楽性と目を見張るダイナミックな技巧もさることながら、ヤスミン・ナグディと平野亮一による第2楽章の甘美な抒情性は観る者を惹きつけてやまない。

『エニグマ・ヴァリエーション』は、作曲家エルガーが「エニグマ・ヴァリエーション」(エニグマ変奏曲)を作曲した時のドラマを、彼を取り巻く人々の友情を中心に描いた作品。まだ知名度も低く自信喪失気味のエルガーが、著名な指揮者からの電報を不安気に待つ間、妻や友人たちが集まって彼を励ます。アシュトン特有の技巧を凝らしたステップで登場人物それぞれの個性が描かれていて観る者を飽きさせない。マシュー・ボールが踊る超絶技巧が凝らされたトロイトのヴァリエーション、名曲「ニムロッド」、フランチェスカ・ヘイワードが踊る吃音のある少女ドラベラの愛らしいソロ、アクリ瑠嘉による犬になってしまった男シンクレアのユーモラスなソロなど見所は枚挙にいとまがない。

『ライモンダ第3幕』はマリウス・プティパによるロシア・クラシック・バレエの粋を集めた古典絵巻を、ルドルフ・ヌレエフが再振付した壮麗な作品。第3幕は、貴族ライモンダと、十字軍から帰ってきて恋のライバルを倒した騎士ジャン・ド・ブリエンヌの結婚式。ハンガリー民族舞踊風のチャルダッシュと、華麗なグラン・パ・クラシック、6つものヴァリエーションで彩られゴージャスなことこの上ない。金子扶生が踊る軽やかなピチカートのソロ、当代トップダンサーのふたり、ワディム・ムンタギロフのエレガントかつ鮮やかな踊り、女王の風格たっぷりで強靭なナタリア・オシポワによる有名なソロと見せ場が満載。異国情緒漂うグラズノフの美しい音楽、ダンサーたちが舞台を埋め尽くすフィナーレと、バレエの華やかさ、高揚感を存分に堪能できる。

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<ロイヤル・バレエ『コンチェルト/エニグマ・ヴァリエーション/ライモンダ 第3幕』タイムテーブル>

 

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『コンチェルト』
【振付】ケネス・マクミラン 【音楽】ドミトリー・ショスタコーヴィッチ 【美術】ユルゲン・ローゼ 【ピアノ】ケイト・シップウェイ
【出演】アナ=ローズ・オサリヴァン/ジェームズ・ヘイ/ヤスミン・ナグディ/平野亮一/ マヤラ・マグリ

『エニグマ・ヴァリエーション』
【振付】フレデリック・アシュトン 【音楽】エドワード・エルガー 
【出演】クリストファー・サウンダース/ラウラ・モレーラ/マシュー・ボール/ベネット・ガートサイド/フランチェスカ・ヘイワード/アクリ瑠嘉

『ライモンダ第3幕』
【振付】ルドルフ・ヌレエフ 【音楽】アレクサンドル・グラズノフ 【指揮】パーヴェル・ソロキン 【指揮】パーヴェル・ソロキン
【出演】ナタリア・オシポワ/ワディム・ムンタギロフ/金子扶生

2019.12.27

オペラ『ドン・パスクワーレ』を初心者でもわかりやすく解説します

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石川了(音楽・舞踊プロデューサー)

●愛と年の差!
19世紀初頭のオペラ・ブッファ(喜劇的オペラ)は、『セビリアの理髪師』もそうですが、年配の金持ち男が若い娘に手を出し、彼女とその恋人、彼らの恋の成就を助ける知恵者の三人にコテンパにやられるという物語が結構存在します。70歳の資産家が若い娘と結婚しようとして痛い目に会う、ドニゼッティの傑作『ドン・パスクワーレ』もまさに同じ系統といえるでしょう。
このオペラに関して、さすがに70歳での結婚は如何なものかと眉をひそめる方もいるかもしれませんが、ドン・パスクワーレは独身だから結婚も自由、「年の差婚」という言葉があるように、お互いの同意さえあれば結婚に年齢差は関係ありません。また、物語の根底には、彼の莫大な遺産も狙う若者たちの思惑もあるから、年齢が決して遠くはない筆者としては、ドン・パスクワーレだけがここまでヒドイ目に会うのは許せないなあと、彼に同情しちゃいます。もちろん筆者にこんな莫大な資産はありませんが…。
このように、『ドン・パスクワーレ』は現代につながる身近な要素も満載で、だからこそ1843年にパリで初演されて以来、ある意味エイジハラスメント的な内容があっても、ドニゼッティ作曲の美しい音楽と共に、今なお世界中で愛されているのでしょう。

●まるで海外ドラマ!
そんな『ドン・パスクワーレ』を演出したのは、現在世界中の歌劇場で引っ張りだこのイタリア人演出家、ダミエーレ・ミキエレット。彼の演出の特徴は、大胆な設定と鋭い人間洞察。ミキエレットは、このオペラの演出に当たり、下記のようにコメントしています。
「舞台に自分の人生やイマジネーションを重ね、現実世界に結び付けるのは自然なことです。」
設定を現代に移した彼の『ドン・パスクワーレ』では、車やスマホも登場。主人公の子供時代の風景も挿入され、彼が住む家が母親と暮らしていたときのままになっていることがわかります。過去の思い出にしがみつく、70歳なのに子供のままのドン・パスクワーレ。この主人公のキャラクター設定は重要で、『ドン・パスクワーレ』というストーリーに、現代的な強い説得力を与えています。
主人公と母親との思い出をぶち壊しにするノリーナと、主人公の主治医マラテスタとの関係も何か怪しいし、彼女の恋人でドン・パスクワーレの甥エルネストは「甥っ子は役立たず、ご老人の悩みの種」と合唱で歌われるようにボーっと生きている。「こんな人たち、現実にいるよね」と呟いてしまう登場人物たちは結構リアルで、まるで海外ドラマを観ているかのよう。ラストまで目が離せません。

●声の饗宴!
この公演では、錚々たる人気歌手たちの声の饗宴が楽しめるのも嬉しい。ドン・パスクワーレ役のブリン・ターフェルはウェールズ出身のバス・バリトンで、この映像は彼が初めて同役に挑んだ熱演の記録となりました。ノリーナを歌うロシア出身の美人ソプラノ、オルガ・ペレチャッコは、本公演が英国ロイヤル・オペラデビュー。マラテスタ役を演じるオーストリア出身のイケメンバリトン、マルクス・ウェルバはサントリーホールのホール・オペラ「モーツァルト&ダ・ポンテ三部作」で日本でもおなじみ。エルネスト役のイオアン・ホテアは1990年ルーマニア生まれの若手テノールです。
今回のキャストは国籍もさまざまで、その上イタリア人もいないため、イタリア的ベルカントのカラーはあまり感じられないかもしれませんが、このようなオペラ・ブッファを映画館で鑑賞するポイントとして、歌唱だけではなく、彼らの表情のアップや演技、汗の一粒一粒にも注目いただけると楽しさ倍増ですよ。

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズンのいいところは、オペラ本編のみならず、合間に挿入されるインタビューが作品の理解や公演の見どころに役立つこと。今回は、音楽学者フローラ・ウィルソンが語る19世紀パリのオペラ事情、歌手たちが綴るストーリーと人物キャラクター説明、指揮者エヴェリーノ・ピドによる作品解説、そしてミキエレットと装置デザーナーのパオロ・ファンティン、衣裳デザイナーのアゴスティーノ・カヴァルカによる演出意図など、今回の『ドン・パスクワーレ』プロダクションの魅力がさまざまな角度から理解できるので、開演前と休憩後のスタートに遅れないように座席にお戻りくださいね。

Brexitが現実化した今、なかなか英国には行きづらい状況かもしれませんが、英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズンで、ロンドンのコヴェントガーデンのあの雰囲気を、日本の映画館でたっぷり楽しみましょう。

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