ロイヤル・オペラ

トゥーランドット

Turandot

ロイヤル・オペラ

トゥーランドット

Turandot

プッチーニ没後100年の節目に蘇る『トゥーランドット』重厚な舞台美と音楽が映し出す、アンドレイ・セルバン演出の傑作

プッチーニが最後に書いたオペラ『トゥーランドット』は、古の中国を舞台にしたファンタジー溢れる物語だ。英国ロイヤル・オペラ・ハウスが1984年から上演し続けているアンドレイ・セルバンの演出は、昨年の英国オペラの日本公演でも絶賛された、劇場の看板プロダクションである。演劇的なアプローチ、洗練された美術・衣裳、仮面をつけたダンサーたちの振付、神秘的な照明などをスクリーンでじっくりと味わえる。来日を予定していたが、果たすことのできなかったラドヴァノフスキーが、今回題名役トゥーランドットを見事に演じている。ドラマティックな声と卓越した演技力を持つラドヴァノフスキーは、第2幕で登場し、そこで歌うアリアからさすがの完成度を見せる。それに加えて、ラドヴァノフスキーはトゥーランドットの苦しみ、悲しみ、彼女がカラフに惹かれている様子を巧みに表現する。
そして『トゥーランドット』といえば、テノールのアリア「誰も寝てはならぬ」が有名だが、すでにMETなどで大人気を誇るベクが、輝かしい高音と優しさを感じさせる役作りで、まさに理想のカラフを演じている。リューは若手のサマーフィールドがバランスのとれた魅力的な歌唱を披露する。そしてセルバンの演出ではピン、パン、ポンの活躍もめざましい。

今回、指揮を担当したのはベネズエラのエル・システマ出身のパヤーレ。一流のオーケストラからも引く手あまたのマエストロだが、その実力はオペラでも発揮された。プッチーニの中でも壮大でモダンなオーケストラの響きをくっきりと聴かせながら、歌手たちの表現に寄り添った指揮で、カーテンコールでも大きな歓声を浴びた。

PHOTO&MOVIE

STORY

おとぎ話の時代の中国、北京。皇帝の娘トゥーランドットは絶世の美女だが、求婚する者に三つの謎を出題し、答えられなければ首をはねるという布令を出していた。だが諸国からの挑戦者は後を絶たず、彼らは一人残らず処刑されていた。そこに祖国を敵に追われ流浪しているタタールの王子カラフがやってくる。生き別れになっていた父王ティムールと再会し喜ぶカラフ。年老いたティムールを支えてきた女奴隷リューは、カラフがかつて王宮で彼女に微笑んだことから彼を一途に思っていた。トゥーランドット姫の残酷な布令を知り、初めは反発を覚えたカラフだが、姫を一目見た瞬間にその魅力に取り憑かれ、挑戦を決めてしまう。

  《トゥーランドット》全3幕
 
【音楽】 ジャコモ・プッチーニ(フランコ・アルファーノ補筆版)
【台本】 ジュゼッペ・アダーミ、レナート・シモーニ
(原作:カルロ・ゴッツィによる寓話劇「トゥーランドット」)
【指揮】 ラファエル・パヤーレ
【演出】 アンドレイ・セルバン
【再演演出】 ジャック・ファーネス
【美術・衣裳】 サリー・ジェイコブス
【照明】 F・ミッチェル・ダナ
【振付】 ケイト・フラット
【振付記譜】 タチアナ・ノヴァエス・コエーリョ
   
ロイヤル・オペラ合唱団(合唱指揮:ウィリアム・スポールディング)
ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団(コンサートマスター:セルゲイ・レヴィティン)
 
映像監督:ブリジット・コールドウェル
   
 
【キャスト】
 
【トゥーランドット姫】 ソンドラ・ラドヴァノフスキー
【カラフ】 ソクジョン・ベク
【リュー】 ジェマ・サマーフィールド
【ティムール】 アダム・パルカ
【ピン】 ハンソン・ユ
【パン】 アレッド・ホール
【ポン】 マイケル・ギブソン
【アルトゥム皇帝】 ポール・ホップウッド
【官吏】 オシアン・ハスキンソン
【児童合唱】 カーディナル・ヴォーンおよびグレイコート学校