ニュース

2020.05.01

公開変更についてのお知らせ

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

このたび、英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2019/20 で5月8日(金)より公開が予定されておりましたロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」以下、今シーズン予定されていました作品につきまして、ロイヤル・オペラ・ハウス側からの要請と協議の結果、下記の通り公開日の変更、及び予定されておりました作品の上映中止となりましたことをお知らせ致します。
以下、予定されていました公開日及び作品です。

・5月8日(金)ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」
・5月15日(金)ロイヤル・オペラ「ラ・ボエーム」
・5月22日(金)ロイヤル・バレエ「ザ・チェリスト」「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」
・5月29日(金)ロイヤル・オペラ「フィデリオ」
・7月17日(金)ロイヤル・バレエ「白鳥の湖」
・7月24日(金)ロイヤル・オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」「道化師」
・7月31日(金)ロイヤル・バレエ「ダンテ・プロジェクト」
・8月7日(金)ロイヤル・オペラ「エレクトラ」

残念ながらロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスが3月16日の公演を最後にその後の公演がすべて中止となってしまいました。また日本でも緊急事態宣言により映画館が休館中でもあります。つきましては以下の通り公開作品の変更及び公開日程の変更をご案内させて頂く事になりました。楽しみにお待ち頂いておりますお客様には大変申し訳ありませんが、何卒ご了承頂きますよう、宜しくお願い申し上げます。

以下変更とさせて頂きます。またコロナウイルスの影響により、更に変更なども生じる可能性もございます。併せてご了承の程お願い申し上げます。

以下変更日程及び作品(5月1日付け)<※一部劇場を除く>
<5月公開作:英国ロイヤル・バレエで活躍する日本人ダンサー作品特集>
・5月8日(金)ロイヤル・バレエ「マノン」(平野亮一)
・5月15日(金)ロイヤル・バレエ「ドン・キホーテ」(高田茜)
・5月22日(金)~2週間 ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」(金子扶生)

※5月公開作につきましては、過去シーズン2017/18 と 2018/19において好評を博した日本人ダンサー、プリンシパルの平野亮一さん出演の「マノン」と、同じくプリンシパルの高田茜さんが主役キトリを演じた「ドン・キホーテ」、更にシネマシーズンで堂々の主役に抜擢された金子扶生(ふみ)さんの「眠れる森の美女」をお届け致します。

※「眠れる森の美女」以降、本来5月に公開が予定されていました「ラ・ボエーム」、「ザ・チェリスト」「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」、「フィデリオ」につきましては、作品の字幕入れ作業の完成と公開日の調整などが決まり次第改めて発表させて頂きます。

※予定されていました「白鳥の湖」から「エレクトラ」までの4本につきましては、本国での公演が中止となりました為、残念ではありますが、公開が叶わなく上映中止となります。

※5月1日以降6日までの連休期間中に、再度緊急事態宣言の延長により、映画館の休館が
延長になる場合は、それに伴いまして公開が延期となります。追って発表させて頂きますのでご了承下さいますよう、お願い申し上げます。

英国ロイヤル・オペラ・ハウスと共に皆様のご健康をお祈り致します。また更なるご厚情を賜りたく、切にお願い申し上げます。

2020年5月1日
東宝東和株式会社

2020.01.14

ロイヤル・バレエ『コッペリア』<タイムテーブルのご案内>

 Cast Swanilda: Marianela Nunez, Franz: Vadim Muntagirov, Dr Coppélius: Gary Avis, Coppelia; Asley Dean, Aurora; Claire Calvert, Prayer; Itziar Mendizabel, Conducted by Barry Wordsworth

コミカルな人形振りから、クラシック・バレエの粋まで楽しめる
ロマンティック・コメディの名作が、久しぶりにロイヤルの舞台に帰ってくる!

『コッペリア』はE.T.A.ホフマンの小説「砂男」を原作とし、1870年にパリ・オペラ座で初演。美しい人形コッペリアに恋したフランツとその恋人スワニルダ、そしてコッペリアを生み出したコッペリウス博士が織りなす、ロマンティック・コメディ。

英国ロイヤル・バレエで踊られているのは、バレエ団創設者ニネット・ド・ヴァロア版で、1954年の初演からレパートリーとして大切に踊られてきた。クラシック・バレエの技巧からコミカルな人形振り、民族舞踊までちりばめられ、ドリープ作曲による美しいメロディと共に、幅広い世代に愛されている。マリアネラ・ヌニェスのコメディエンヌぶり、ワディム・ムンタギロフの華麗な超絶テクニックは必見。
尚、特別映像の中にはデビュー時のヌニェスの姿が映るが、その時主役スワニルダ役を演じたのは吉田都だった。

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【振付】二ネット・ド・ヴァロア(イワ-ノフ、チェケッティ原振付)
【音楽】レオ・ドリーブ 【指揮】バリー・ワーズワース
【出演】スワニルダ:マリアネラ・ヌニェス フランツ:ワディム・ムンタギロフ
コッペリウス博士:ギャリー・エイヴィス 市長:クリストファー・サウンダース 宿屋の主人:エリコ・モンテス
スワニルダの友人:ミカ・ブラッドベリ、イザベラ・ガスパリーニ、ハンナ・グレンネル、ミーガン・グレース・ヒンキス、ロマニー・パイダク、レティシア・ストック
ペザントの女性:マヤラ・マグリ 公爵:ルーカス・ビヨルンボー・ブレンツロド
オーロラ(曙):クレア・カルヴァート 祈り:アネット・ブヴォル

2020.01.08

ロイヤル・バレエ『コンチェルト/エニグマ・ヴァリエーション/ライモンダ 第3幕』<タイムテーブルのご案内>

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『コンチェルト』は、ドミトリー・ショスタコーヴィッチのピアノ協奏曲2番に乗せたマクミラン振付による作品。闊達な第1楽章、バーレッスンを模したパ・ド・ドゥが比類なき美しさを見せるゆっくりとした第2楽章、そして第1、第2楽章のソリストにコール・ド・バレエを加えて楽譜の上を走り回るような第3楽章。全編に渡るダンサーたちの見事な音楽性と目を見張るダイナミックな技巧もさることながら、ヤスミン・ナグディと平野亮一による第2楽章の甘美な抒情性は観る者を惹きつけてやまない。

『エニグマ・ヴァリエーション』は、作曲家エルガーが「エニグマ・ヴァリエーション」(エニグマ変奏曲)を作曲した時のドラマを、彼を取り巻く人々の友情を中心に描いた作品。まだ知名度も低く自信喪失気味のエルガーが、著名な指揮者からの電報を不安気に待つ間、妻や友人たちが集まって彼を励ます。アシュトン特有の技巧を凝らしたステップで登場人物それぞれの個性が描かれていて観る者を飽きさせない。マシュー・ボールが踊る超絶技巧が凝らされたトロイトのヴァリエーション、名曲「ニムロッド」、フランチェスカ・ヘイワードが踊る吃音のある少女ドラベラの愛らしいソロ、アクリ瑠嘉による犬になってしまった男シンクレアのユーモラスなソロなど見所は枚挙にいとまがない。

『ライモンダ第3幕』はマリウス・プティパによるロシア・クラシック・バレエの粋を集めた古典絵巻を、ルドルフ・ヌレエフが再振付した壮麗な作品。第3幕は、貴族ライモンダと、十字軍から帰ってきて恋のライバルを倒した騎士ジャン・ド・ブリエンヌの結婚式。ハンガリー民族舞踊風のチャルダッシュと、華麗なグラン・パ・クラシック、6つものヴァリエーションで彩られゴージャスなことこの上ない。金子扶生が踊る軽やかなピチカートのソロ、当代トップダンサーのふたり、ワディム・ムンタギロフのエレガントかつ鮮やかな踊り、女王の風格たっぷりで強靭なナタリア・オシポワによる有名なソロと見せ場が満載。異国情緒漂うグラズノフの美しい音楽、ダンサーたちが舞台を埋め尽くすフィナーレと、バレエの華やかさ、高揚感を存分に堪能できる。

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<ロイヤル・バレエ『コンチェルト/エニグマ・ヴァリエーション/ライモンダ 第3幕』タイムテーブル>

 

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『コンチェルト』
【振付】ケネス・マクミラン 【音楽】ドミトリー・ショスタコーヴィッチ 【美術】ユルゲン・ローゼ 【ピアノ】ケイト・シップウェイ
【出演】アナ=ローズ・オサリヴァン/ジェームズ・ヘイ/ヤスミン・ナグディ/平野亮一/ マヤラ・マグリ

『エニグマ・ヴァリエーション』
【振付】フレデリック・アシュトン 【音楽】エドワード・エルガー 
【出演】クリストファー・サウンダース/ラウラ・モレーラ/マシュー・ボール/ベネット・ガートサイド/フランチェスカ・ヘイワード/アクリ瑠嘉

『ライモンダ第3幕』
【振付】ルドルフ・ヌレエフ 【音楽】アレクサンドル・グラズノフ 【指揮】パーヴェル・ソロキン 【指揮】パーヴェル・ソロキン
【出演】ナタリア・オシポワ/ワディム・ムンタギロフ/金子扶生

2019.12.27

オペラ『ドン・パスクワーレ』を初心者でもわかりやすく解説します

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石川了(音楽・舞踊プロデューサー)

●愛と年の差!
19世紀初頭のオペラ・ブッファ(喜劇的オペラ)は、『セビリアの理髪師』もそうですが、年配の金持ち男が若い娘に手を出し、彼女とその恋人、彼らの恋の成就を助ける知恵者の三人にコテンパにやられるという物語が結構存在します。70歳の資産家が若い娘と結婚しようとして痛い目に会う、ドニゼッティの傑作『ドン・パスクワーレ』もまさに同じ系統といえるでしょう。
このオペラに関して、さすがに70歳での結婚は如何なものかと眉をひそめる方もいるかもしれませんが、ドン・パスクワーレは独身だから結婚も自由、「年の差婚」という言葉があるように、お互いの同意さえあれば結婚に年齢差は関係ありません。また、物語の根底には、彼の莫大な遺産も狙う若者たちの思惑もあるから、年齢が決して遠くはない筆者としては、ドン・パスクワーレだけがここまでヒドイ目に会うのは許せないなあと、彼に同情しちゃいます。もちろん筆者にこんな莫大な資産はありませんが…。
このように、『ドン・パスクワーレ』は現代につながる身近な要素も満載で、だからこそ1843年にパリで初演されて以来、ある意味エイジハラスメント的な内容があっても、ドニゼッティ作曲の美しい音楽と共に、今なお世界中で愛されているのでしょう。

●まるで海外ドラマ!
そんな『ドン・パスクワーレ』を演出したのは、現在世界中の歌劇場で引っ張りだこのイタリア人演出家、ダミエーレ・ミキエレット。彼の演出の特徴は、大胆な設定と鋭い人間洞察。ミキエレットは、このオペラの演出に当たり、下記のようにコメントしています。
「舞台に自分の人生やイマジネーションを重ね、現実世界に結び付けるのは自然なことです。」
設定を現代に移した彼の『ドン・パスクワーレ』では、車やスマホも登場。主人公の子供時代の風景も挿入され、彼が住む家が母親と暮らしていたときのままになっていることがわかります。過去の思い出にしがみつく、70歳なのに子供のままのドン・パスクワーレ。この主人公のキャラクター設定は重要で、『ドン・パスクワーレ』というストーリーに、現代的な強い説得力を与えています。
主人公と母親との思い出をぶち壊しにするノリーナと、主人公の主治医マラテスタとの関係も何か怪しいし、彼女の恋人でドン・パスクワーレの甥エルネストは「甥っ子は役立たず、ご老人の悩みの種」と合唱で歌われるようにボーっと生きている。「こんな人たち、現実にいるよね」と呟いてしまう登場人物たちは結構リアルで、まるで海外ドラマを観ているかのよう。ラストまで目が離せません。

●声の饗宴!
この公演では、錚々たる人気歌手たちの声の饗宴が楽しめるのも嬉しい。ドン・パスクワーレ役のブリン・ターフェルはウェールズ出身のバス・バリトンで、この映像は彼が初めて同役に挑んだ熱演の記録となりました。ノリーナを歌うロシア出身の美人ソプラノ、オルガ・ペレチャッコは、本公演が英国ロイヤル・オペラデビュー。マラテスタ役を演じるオーストリア出身のイケメンバリトン、マルクス・ウェルバはサントリーホールのホール・オペラ「モーツァルト&ダ・ポンテ三部作」で日本でもおなじみ。エルネスト役のイオアン・ホテアは1990年ルーマニア生まれの若手テノールです。
今回のキャストは国籍もさまざまで、その上イタリア人もいないため、イタリア的ベルカントのカラーはあまり感じられないかもしれませんが、このようなオペラ・ブッファを映画館で鑑賞するポイントとして、歌唱だけではなく、彼らの表情のアップや演技、汗の一粒一粒にも注目いただけると楽しさ倍増ですよ。

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズンのいいところは、オペラ本編のみならず、合間に挿入されるインタビューが作品の理解や公演の見どころに役立つこと。今回は、音楽学者フローラ・ウィルソンが語る19世紀パリのオペラ事情、歌手たちが綴るストーリーと人物キャラクター説明、指揮者エヴェリーノ・ピドによる作品解説、そしてミキエレットと装置デザーナーのパオロ・ファンティン、衣裳デザイナーのアゴスティーノ・カヴァルカによる演出意図など、今回の『ドン・パスクワーレ』プロダクションの魅力がさまざまな角度から理解できるので、開演前と休憩後のスタートに遅れないように座席にお戻りくださいね。

Brexitが現実化した今、なかなか英国には行きづらい状況かもしれませんが、英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズンで、ロンドンのコヴェントガーデンのあの雰囲気を、日本の映画館でたっぷり楽しみましょう。

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2019.12.26

ロイヤル・オペラ『ドン・パスクワーレ』<タイムテーブルのご案内>

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<ブリン・ターフェルがドン・パスクワーレ役に初挑戦!>
ミキエレットが演出する、舞台を現代に移した「ドン・パスクワーレ」

老人いじめ?女性の権利を獲得するための闘い?ドニゼッティ最後のオペラ・ブッファ(喜歌劇)「ドン・パスクワーレ」は、金満家の老人ドン・パスクワーレが、言うことを聞かない甥エルネストを懲らしめようとして、彼と恋人のノリーナ、そして彼らの友人マラテスタの策略にかかり大変な目にあってしまう物語。

2019年春にパリ・オペラ座で上演されて大人気を得たミキエレットの演出がロイヤル・オペラ・ハウスでも上演、現代的で辛口な切り口が大きな話題となった。英国で圧倒的な人気を誇るウェールズ出身のバス・バリトン、サー・ブリン・ターフェルが初めてタイトルロールのドン・パスクワーレ役を演じ、台詞の細かいニュアンスまで素晴らしい表現で役を熱演している。

ヨーロッパで人気抜群のロシア人ソプラノ、オルガ・ペレチャッコが英国ロイヤル・オペラ・ハウスへのデビューとしてノリーナ役を歌い、抜群のテクニックと演技力で高い評価を得た他、気の弱い青年エルネスト役のテノール、イオアン・ホテア、スタイリッシュなマラテスタ役のバリトン、マルクス・ヴェルバなどが活躍。ノリーナの登場のアリア「あの騎士の眼差しは」は、映画撮影のセットでアシスタントとして働くノリーナによって歌われるなど、ヴィヴィッドで活気あふれる舞台。

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<ロイヤル・オペラ『ドン・パスクワーレ』タイムテーブル>

 

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【作曲】 ガエターノ・ドニゼッティ
【演出】 ダミアーノ・ミキエレット
【指揮】 エヴェリーノ・ピド
【出演】 ドン・パスクワーレ:ブリン・ターフェル、ノリーナ:オルガ・ペレチャッコ、エルネスト:イオアン・ホテア、マラテスタ:マルクス・ヴェルバ

2019.12.18

ロイヤル・オペラ『ドン・ジョバンニ』<タイムテーブルのご案内>

<アーウィン・シュロットが歌うドン・ジョバンニが圧倒的な魅力で迫る>
ROHの人気プロダクションがシネマシーズン オープニングに登場!

 2015年 英国ロイヤル・オペラ来日公演で話題になったカスパー・ホルテン演出のモーツァルト《ドン・ジョバンニ》。2014年に新制作されて以来、現地ロンドンでもすでに三度目の再演となる人気プロダクション。エス・デブリンによる美術は時代を特定せず、白く塗られた二階建ての建物が回転し、そこに様々なイメージや文字が投影される。まるでドン・ジョバンニの心の迷宮を目の当たりにしているかのような、夢と現の間をさまよう舞台がモーツァルトの音楽に呼応する。アニャ・ヴァン・クラフによる衣裳もため息がでるほど美しい。

今回のプロダクションの最大の魅力はアーウィン・シュロットの演ずるタイトルロール。ウルグアイ出身のバス・バリトン歌手シュロットは、オペラ界のトップ・スター、アンナ・ネトレプコの元夫としても知られるが、ドン・ジョバンニは彼の最大の当たり役。男の色気が溢れる歌唱と演技、そして艶のある美声にロンドンの聴衆が熱狂した。

他の出演者も充実している。イタリア人歌手ロベルト・タリアヴィーニが端正な歌と若々しい演技でレポレッロを演じている他、ドン・ジョバンニに翻弄される女性たちは、クリスタルな美声と抜群の歌唱技術を持つマリン・ビストロームがドンナ・アンナを、ミルト・パパタナシュが情熱的なドンナ・エルヴィーラを、ルイーズ・オールダーが溌剌としたゼルリーナを演じている。ドン・オッターヴィオはダニエル・ベーレ、騎士長はペトロス・マゴウラス、マゼットはレオン・コザヴィッチ。指揮のハルトムート・ヘンヒェンはモーツァルトの傑作を堂々としたテンポで描き出す。

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<ロイヤル・オペラ『ドン・ジョバンニ』タイムテーブル>

 

 

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【作曲】ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
【演出】カスパー・ホルテン
【指揮】ハルトムート・ヘンヒェン
【出演】ドン・ジョバンニ:アーウィン・シュロット、レポレッロ:ロベルト・タリアヴィーニ、ドンナ・アンナ:マリン・ビストローム
ドンナ・エルヴィーラ:ミルト・パパタナシュ、ゼルリーナ:ルイーズ・オールダー、ドン・オッターヴィオ:ダニエル・ベーレ
騎士長:ペトロス・マゴウラス、マゼット:レオン・コザヴィッチ

2019.12.10

オペラ『ドン・ジョバンニ』を初心者でもわかりやすく解説します

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石川了(音楽・舞踊プロデューサー)

<史上最強のプレイボーイ=ドン・ジョバンニ>
モーツァルトの『ドン・ジョバンニ』といえば、イタリアで640人、ドイツで231人、スペインで1003人の女性をモノにした(と歌われている)史上最強のプレイボーイ、ドン・ジョバンニが主人公。いきなりレイプシーン!から始まり、最後は主人公の地獄落ちで終わるというドラマもなかなかすごい。
こんな不道徳な内容なのに、1787年プラハで初演されて以来、今もなお世界中で上演される人気の理由は、何と言ってもモーツァルトの音楽だ。2幕構成で3時間弱という少し長いオペラだが、有名な「序曲」に始まり、「カタログの歌」「手を取り合って」「彼女の心の安らぎこそが」「シャンペンの歌」「ぶってよマゼット」「セレナード」「薬屋の歌」「あの恩知らずは私を裏切り」「私の恋人を慰めて」、そして映画『アマデウス』でも印象的な「地獄落ち」の音楽など、こんなにたくさんのポピュラーなアリアや重唱が登場するオペラは他にはないだろう。

登場人物のキャラクターも魅力的。主人公のドン・ジョバンニは、「年齢も体型も肌色も関係なく、全ての女性を平等に愛する」男性。身分が高く金持ちで、容姿もばっちり、たぶん人間も大きい。手癖が悪い以外は、あらゆる女性を虜にする、まさに理想の男性といえるかもしれない。
面白いのは彼を巡る3人の女性たちで、この公演ではとても興味深い描かれ方をしている。いきなりレイプされるドンナ・アンナは復讐に燃えるのだが、それでもドン・ジョバンニに惚れているとしか見えないし、婚約者ドン・オッターヴィオには見向きもしない。ツェルリーナはもっと小悪魔で、自分からドン・ジョバンニに迫りながら、拗ねた夫マゼットとよりを戻すためにあの手この手を尽くす。ドンナ・エルヴィーラの愛はストレートだが、少しストーカー的と言えるのではないだろうか。

演出は、英国ロイヤル・オペラの前オペラディレクター、カスパー・ホルテン。当プロダクションは2014年2月に初演され、この映像は4回目の再演を収録したもの。2015年の同歌劇場来日公演でもお披露目されたので、リアルでご覧になった方も多いだろう。
その来日記者会見で、演出家はドン・ジョバンニを「彼が恐れるのは、地獄の炎ではなく孤独である。孤独を恐れるがあまり、彼はあらゆる女性を誘惑し現実を忘れようとしているのだ」と解釈していた。そんなドン・ジョバンニの地獄落ちはどのように描かれるのか。人間の偽善や存在の脆さが浮かび上がる、シェイクスピアの国ならではの演劇的な舞台が展開する。
また、オペラから映画、ファッションまで幅広いジャンルを横断する舞台デザイナーで、アデルやビヨンセ、カニエ・ウェスト、レディ・ガガ、U2といった多くのミュージシャンのクリエイティブ・ディレクターとしても活躍するエス・デヴリンの装置も見どころ。
ぐるぐる回転する二階建ての白い建物と、そこに投影されるプロジェクション・マッピングは来日公演でも話題を呼んだが、それは映像で観ても迫力満点。プロジェクション・マッピングを手掛けたのはロンドン五輪閉会式の映像クリエイティブ・ディレクター、ルーク・ホールズ。
タイトルロールを演じるウルグアイ出身のアーウィン・シュロットは、現代最高のドン・ジョバンニの一人と言われている。歌姫アンナ・ネトレプコのハートを射止め(現在は離婚)、そのエキゾチックで精悍な顔立ちと男の色気を醸し出す立ち姿、そして深みのあるバリトンヴォイスは、見た目も声もドン・ジョバンニそのものだ。スクリーンにアップで映るシュロットの憂いのある瞳と表情も、女性からすると堪らないだろう。

オペラを一度でいいから観てみたいが、値段も敷居も高いと思っている方には、映画館でのオペラ映像体験がその第一歩として最適ではないだろうか。値段はお手頃だし、臨場感あふれる音響も映画館ならでは。さらに劇場では見えにくい歌手たちの表情も楽しめる。
「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」では、公演映像のみならず、指揮者・演出家・歌手などへのインタビューや作品解説、リハーサル風景もたっぷり追加され、オペラをできるだけわかりやすく鑑賞できるような創意工夫が嬉しい。
しかし、オペラはやはり生が一番。ロンドンに行った際にはコヴェント・ガーデンにお出掛けして、英国ロイヤル・オペラ・ハウスで生オペラを是非体験してみてほしい!

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2019.11.20

「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2019/20」 日本版予告映像とポスタービジュアルが到着!さらに全12演目の公開日も決定!

「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2019/20」いよいよ開幕!
日本版予告映像とポスタービジュアルが到着&全12演目の公開日が決定致しました!

 

『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン』は、ロンドンのコヴェント・ガーデン、ロイヤル・オペラ・ハウスで上演されたロイヤル・バレエ団、ロイヤル・オペラによる世界最高峰のバレエとオペラを、映画館で鑑賞できる人気シリーズ!ロイヤル・バレエ団には、最高位のプリンシパルとして、日本出身の高田茜さん、平野亮一さんが在籍、他にも金子扶美さん、アクリ瑠嘉さん、崔 由姫さんなどが現役で活躍しており、その姿を日本で観られることでも大きな注目を集めています!

この度到着した日本版予告編には、華やかなオーケストラ音楽とともにシネマシーズンを彩る人気演目のワンシーンが続々登場し、ライブ観劇しているような臨場感あふれる鑑賞体験への期待が高まる映像となっています。さらに、出演者らの細やかな表情や仕草をクローズアップで捉えたシーンや、普段は目にすることのないリハーサルの様子など、シネマシーズンならではの場面も多数収録。昨シーズンに引き続き、本シーズンでも全ての上映作品には、人気の高いナビゲーターによる舞台裏でのインタビューや特別映像が追加され、スペシャルな映像を映画館の大スクリーンと迫力ある音響でお楽しみ頂けます!

また併せて到着した日本版ポスターには、ロイヤル・オペラ『フィデリオ』、ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』のカットと共に「伝統の重みを味わい、新しい挑戦に胸が高鳴る。」というコピーが添えられており、英国名門歌劇場が誇る情熱的なオペラと幻想的なバレエの世界に引き込まれるビジュアルに仕上がっています。

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2020年1月3日(金)よりいよいよ開幕する『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2019/20』が贈る感動と至福の時間を、是非映画館でご体験ください!


【『2019/20』全12演目公開日】

●ロイヤル・オペラ『ドン・ジョバンニ』:1月3日(金)
●ロイヤル・オペラ『ドン・パスクワーレ』:1月10日(金)
●ロイヤル・バレエ『コンチェルト/エニグマ・ヴァリエーション/ライモンダ 第3幕』:1月17日(金)
●ロイヤル・バレエ『コッペリア』:1月24日(金)
●ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』:5月8日(金)
●ロイヤル・オペラ『ラ・ボエーム』:5月15日(金)
●ロイヤル・バレエ『ザ・チェリスト/ダンシズ・アット・ア・ギャザリング』:5月22日(金)
●ロイヤル・オペラ『フィデリオ』:5月29日(金)
●ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』:7月17日(金)
●ロイヤル・オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』:7月24日(金)
●ロイヤル・バレエ『ダンテ・プロジェクト』:7月31日(金)
●ロイヤル・オペラ『エレクトラ』:8月7日(金)
※札幌シネマフロンティアのみ公開日が異なる演目がございます。


【上映劇場】

*TOHOシネマズ シャンテ
*TOHOシネマズ 日本橋
*イオンシネマ シアタス調布
*TOHOシネマズ ららぽーと横浜
*TOHOシネマズ 流山おおたかの森
*TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ
*イオンシネマ 京都桂川
*大阪ステーションシティシネマ
*TOHOシネマズ 西宮OS
*札幌シネマフロンティア
*フォーラム仙台
*中州大洋映画劇場

2019.09.09

今シーズンもアンコール上映が決定!バレエ6作品に加え、人気のオペラ作品もラインナップ!!『運命の力』『椿姫』、『ドン・キホーテ』『ロミオとジュリエット』他、 大人気演目を再び映画館で!!

今シーズン『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2018/19』にて上映されたバレエ6作品とオペラの人気作品が、TOHOシネマズ シャンテとTOHOシネマズ 日本橋限定で、9月20日(金)よりアンコール上映されることが決定いたしました!

ロンドンのコヴェント・ガーデン、英国ロイヤル・オペラ・ハウスで上演された世界最高峰のバレエとオペラを全国の映画館で鑑賞できる『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン』。すべての上映作品に、ロイヤル・オペラ・ハウスで人気の高い案内人による舞台裏でのインタビューや特別映像等が追加されており、そのボリュームある内容や迫力ある音響で、日本にいながらも実際の劇場で観劇しているような臨場感を味わう事が出来るとともに、大スクリーンに映し出されるひとつひとつ細やかな表情や美しい映像を楽しめると、人気を博しています。

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この度、今シーズン上映され大好評を博したバレエ6演目と、人気の高いオペラ2演目のアンコール上映が決定。ロイヤル・オペラでは、25年間上演されて続けている人気プロダクション『椿姫』やオペラ界の2大スター、ソプラノのアンナ・ネトレプコとテノールのヨナス・カウフマンが11年ぶりにロンドンで共演した『運命の力』の2演目がラインナップ。チケット争奪戦を極めた超貴重演目を日本にいながら存分に堪能することが出来る。また今年6月に3年ぶりの来日公演を行ったロイヤル・バレエ団には、日本人プリンシパルの平野亮一さんや高田茜さん他、日本人ダンサーが多数在籍。ファーストソリストの金子扶生さんも出演した『ドン・キホーテ』では、高田さんが全幕主演を務めた他、平野さんは、7月の来日公演で話題になったマシュー・ボーン演出の『白鳥の湖』に主演し日本でも人気急上昇となったマシュー・ボールとともに、トリプルビルの新作『メデューサ』に出演しており、その大活躍ぶりを大スクリーンで間近に感じることが出来る。その他『くるみ割り人形』『ロミオとジュリエット』など王道の名作から近年のチャレンジングな作品まで幅広い演目がラインナップ。『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2018/19』の演目を映画館の大スクリーンで見ることが出来る最後のチャンスをお見逃しなく!

<『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2018/2019』アンコール上映>

9月20日(金)
・ロイヤル・バレエ 『うたかたの恋』
9月21日(土)
・ロイヤル・バレエ 『ラ・バヤデール』
9月22日(日)
・ロイヤル・バレエ 『くるみ割り人形』
9月23日(月・祝)
・ロイヤル・バレエ 『ドン・キホーテ』
9月24日(火)
・ロイヤル・バレエ 『ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー / メデューサ / フライト・パターン』
9月25日(水)
・ロイヤル・バレエ 『ロミオとジュリエット』
9月26日(木)
・ロイヤル・オペラ『椿姫』   ※TOHOシネマズ シャンテのみ上映
・ロイヤル・オペラ『運命の力』 ※TOHOシネマズ 日本橋のみ上映

【TOHOシネマズ シャンテのスケジュール】
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2019.08.21

ロイヤル・バレエ『ロミオとジュリエット』<タイムテーブルのご案内>

Romeo and Juliet 18/09/15, Copyright 2015 ROH. Photographed by Alice Pennefather

運命に翻弄され、短い生を熱く駆け抜けた恋人たちを描いたウィリアム・シェイクスピアの不朽の名作

1940年初演のラヴロフスキー版(初演キーロフ・バレエ)を始め、様々な振付家がバレエ化に挑戦してきたが、巨匠ケネス・マクミラン振付の本作はドラマティック・バレエに秀でたロイヤル・バレエの最良の部分を見せる決定版。プロコフィエフによる圧巻の音楽がロマンティックなパ・ド・ドゥや生き生きした群衆シーンを鮮やかに彩り、ニコラス・ジョージアディスによる重厚華麗な舞台美術によって16世紀のヴェローナが再現される。

1965年にコヴェント・ガーデンで初演されたマクミランの『ロミオとジュリエット』は、実に40分間も拍手が鳴りやまず、43回ものカーテンコールが行われるという大成功を収めた。初演を踊ったのはマーゴ・フォンテーンだが、実際にはリン・シーモアとクリストファー・ゲイブルのために振付けられた。ロイヤル・バレエにおいては400回以上も上演され、ツアー公演でも人気を集めている。20世紀バレエの最高傑作と言っても過言ではない。

数日間で大人への階段を駆け上るジュリエット、燃え上がる恋心を抑えられないロミオの高揚感が振付へと昇華したバルコニーのパ・ド・ドゥはすべてのバレエ作品のデュエットの中でも最も甘美で忘れがたい場面。ロミオにマキューシオ、ベンヴォーリオが加わった”3バカトリオ”の友情も微笑ましく、疾走感のある群衆シーンやドラマティックな旋律に乗った重厚な騎士たちの踊り、悲痛な墓場でのパ・ド・ドゥなど、名場面に事欠かない。今回は愛らしいヤスミン・ナグディと、マシュー・ボーンの『白鳥の湖』に主演して話題沸騰中のマシュー・ボールという、ロイヤル・バレエの新世代を象徴する若手プリンシパルペアが主演して、初々しく情熱的な恋に観客の胸も高鳴りっぱなしとなることだろう。

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<ロイヤル・バレエ『ロミオとジュリエット』タイムテーブル>

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【振付】ケネス・マクミラン 【音楽】セルゲイ・プロコフィエフ【指揮】パーヴェル・ソローキン
【出演】ジュリエット:ヤスミン・ナグディ/ロミオ:マシュー・ボール
マキューシオ:ヴァレンティノ・ズケッティ/ティボルト:ギャリー・エイヴィス/ベンヴォーリオ:ベンジャミン・エラ/パリス:ニコル・エドモンズ
キャピュレット卿:クリストファー・サウンダーズ/キャピュレット夫人:クリスティナ・アレスティス/乳母:クリステン・マクナリー
三人の娼婦:ベアトリス・スティクス=ブルネル、ミカ・ブラッドベリ、ロマニー・パジャック
マンドリン・ダンス:マルセリーノ・サンベ/ローレンス神父:ジョナサン・ハウエルズ/ロザライン:金子扶生