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2026.10.15

「英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ 2026/27」開幕!
バレエ5演目とオペラ4演目、全9作品を大スクリーンで堪能!
今シーズンの高揚感を掻き立てる日本版予告映像&ポスタービジュアルを公開!

新シーズンを「英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ 2026/27」と題し、2027年1月22日(金)より、全9演目を各1週間限定にて全国公開することを決定しました!

磨き上げられたロイヤル・バレエ団の真髄を堪能できる名作の数々に加え、挑戦に満ちたオペラ新プロダクションも登場します。静寂が生む緊張、音楽が解き放つ躍動――舞台上で繰り広げられる圧巻のパフォーマンスを、映画館ならではの大迫力でお楽しみください。

新シーズンでバレエ作品の幕開けを飾るのは、ケネス・マクミラン振付によるドラマティック・バレエの傑作『マノン』です。美しいマノンと貧しい神学生デ・グリューの運命的な恋を軸に、豪奢な生活への憧れからムッシュG.Mの愛人となり、やがてルイジアナの流刑地へと転落していくマノンの人生を描きます。華麗なパリの裏社交界から流刑地へと舞台を移しながら、愛と欲望、人間の本質を鮮烈に描き出す名作です。
冬の風物詩『くるみ割り人形』は、2025/26シーズンの人気プロダクションを再上映します。大きくなるクリスマスツリーや美しい雪の精、金平糖の精の踊りなど、お菓子の国で繰り広げられる華やかな饗宴とクララの初恋を、豪華絢爛な舞台美術とチャイコフスキーの色彩豊かな音楽で描く、夢と魔法に満ちたファンタジックな名作です。
続いて、2011年の初演以来、世界中で愛され続けている『不思議の国のアリス』もアンコール上映します。『パリのアメリカ人』でトニー賞を受賞したクリストファー・ウィールドンによるユニークな振付と、カラフルでポップな美術、英国流のブラックユーモアをまぶした奇想天外なキャラクターたちが、アリスとともにワンダーランドへと誘います。
そして、クラシック・バレエの代名詞として世界中で愛される『白鳥の湖』。リアム・スカーレットが振り付けた本作は、数ある『白鳥の湖』の中でもひときわ悲劇性が高く、ダークでドラマティックな世界観が魅力です。ロイヤル・バレエならではの高い演劇性と絢爛豪華な舞台美術、最高レベルのダンサーたちが、チャイコフスキーの美しい旋律とともに古典の名作を新たな姿へと進化させます。
さらに、シェイクスピア原作の永遠のラブストーリー『ロミオとジュリエット』も再登場します。若い恋人たちが短い生を駆け抜ける恋の疾走感を鮮烈に描いたケネス・マクミラン振付の代表作で、本作収録後に結婚した金子扶生とワディム・ムンタギロフの共演による、迫真の演技と情熱的でロマンティックなパ・ド・ドゥにも注目が集まります。
ドラマティックな名作から冬の人気作、ファンタジー、古典、そして永遠のラブストーリーまで、英国ロイヤル・バレエならではの多彩なラインナップをお楽しみください。

そしてオペラ作品では、イタリアの演出家ダミアーノ・ミキエレットによる新プロダクションの『カルメン』から幕を開けます。ミラノ・コルティナ冬季五輪の開会式・閉会式のクリエイティブディレクターを務め、映画監督としても活躍するミキエレットが、2024年に発表した話題の新演出が再び登場します。自由を求めるカルメンと、愛に囚われていくドン・ホセ。情熱がやがて執着へと変わっていく二人の関係を、現代的な感性で鮮烈に描き出します。
続いては、2023/24シーズンから続くバリー・コスキー演出、ロイヤル・オペラ前音楽監督アントニオ・パッパーノ指揮による楽劇四部作『ニーベルングの指環』の最終作『神々の黄昏』です。世界を支配する力を持つ指環を巡り、神々と人間、ニーベルング族が繰り広げてきた壮大な物語が、いよいよクライマックスを迎えます。「ジークフリートの葬送行進曲」や「ブリュンヒルデの自己犠牲」など、全編を彩るドラマティックなオーケストラサウンドにも注目いただきたいと思います。
そして、モーツァルトの傑作『コジ・ファン・トゥッテ』も新演出で登場します。タイトルの意味は「女はみなこうしたもの」。メインステージでの演出家デビューとなるロイヤル・オペラ・ハウスのアソシエイト・ディレクター、ネティア・ジョーンズが、現代の恋愛劇という視点から、最新テクノロジーを駆使して人間の心の揺れや恋愛の複雑さを描き出します。国際色豊かな歌手たちによる美しいアンサンブルも見どころです。
さらに、2025/26シーズンの幕開けを飾ったオリバー・ミアーズ演出の新演出版『トスカ』も再登場します。世界の名門歌劇場を指揮してきたダニエル・オーレンのもとトップスターが集結し、爆撃で破壊された教会、ファシスト様式の無機質な執務室、真白な処刑場など、強烈な視覚効果を持つ舞台美術とプッチーニの美しい音楽が、悲劇へと突き進む恋人たちの運命をスリリングに描きます。
現代的な演出から壮大な楽劇、人気の名作まで、多彩な魅力が揃う新シーズンのロイヤル・オペラにぜひご注目いただきたいと思います。

 

作品ラインナップの発表とあわせて、日本版予告映像とポスタービジュアルも解禁します。
日本版予告映像では、今シーズンを彩る全9作品から、息をのむようなバレエの名場面や、音楽とドラマが交錯するオペラの印象的な瞬間を凝縮しています。さらに、出演するキャストやクリエイターが作品への思いや舞台裏を語るインタビューの様子も収められ、スクリーンを通してしか味わえない、舞台芸術の奥深い魅力を垣間見ることができます。「至福の芸術に胸が高鳴る――」という言葉とともに、磨き上げられたバレエと挑戦に満ちたオペラ、そのどちらも存分に堪能できるシネマシーズンへの期待を高める映像となっています。

あわせて解禁したポスタービジュアルには、2024/25シーズンにロングラン上映された『ロミオとジュリエット』より、金子扶生とワディム・ムンタギロフが魅せるロマンティックな一幕をはじめ、『白鳥の湖』や『不思議の国のアリス』など、ロイヤル・バレエを代表する名作の象徴的なシーンが集結しています。舞台上で生まれる一瞬の表情、研ぎ澄まされた身体表現、ドラマを宿した美しい瞬間を切り取ったビジュアルからは、劇場の客席では味わえない、映像ならではの迫力と臨場感が伝わってきます。珠玉のバレエとオペラを大スクリーンで堪能できる、新たなシネマシーズンの幕開けに期待が高まります。

 

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【バレエ演目】

■『マノン』(原題:Manon)
■『くるみ割り人形』(原題:The Nutcracker)※2025/26シーズンの再上映
■『不思議の国のアリス』(原題:Alice’s Adventures in Wonderland)※2024/25シーズンの再上映
■『白鳥の湖』(原題:Swan Lake)
■『ロミオとジュリエット』(原題:Romeo and Juliet)※2024/25シーズンの再上映

 

【オペラ演目】

■『カルメン』(原題:Carmen)
■『神々の黄昏』(原題:Götterdämmerung)※新演出
■『コジ・ファン・トゥッテ』(原題:Così fan tutte)※新演出
■『トスカ』(原題:Tosca)

 

【上映劇場】

*札幌シネマフロンティア(北海道)
*フォーラム仙台(宮城)
*TOHOシネマズ 日本橋(東京)
*イオンシネマ シアタス調布(東京)
*TOHOシネマズ 流山おおたかの森(千葉)
*TOHOシネマズ ららぽーと横浜(神奈川)
*ミッドランドスクエア シネマ(愛知)
*大阪ステーションシティシネマ(大阪)
*イオンシネマ 京都桂川(京都)
*TOHOシネマズ 西宮OS(兵庫)
*kino cinéma天神(福岡)

<料金>
一般 3,700円 学生 2,500円(税込)
※「神々の黄昏」は一般 5,200円 学生 3,700円(税込)

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2027年1月22日(金)より、いよいよ開幕する『英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ 2026/27』。
世界最高峰のバレエとオペラの魅力に満ちた至福の時間を、ぜひ映画館の大スクリーンでご堪能ください!

2026.07.14

ロイヤル・バレエ団昇格ダンサー発表!

26/27シーズンに先立ちロイヤル・バレエ団ダンサーの昇格が発表されました。

●ファースト・ソリスト
中尾太亮

●ソリスト
ナディア・ムローヴァ=バーレー、エラ・ニュートン・セヴェルニーニ、シャーロット・トンキンソン、マリアンナ・ツェンベンホイ、ハリソン・リー、マルコ・マシャーリ

●ファースト・アーティスト
マーティン・ディアス、ルーク・フォスケット、ジェームズ・ラージ

2026.07.02

『魔笛』見どころをご紹介します

コラム

石川了(ジャーナリスト/音楽・映画・ミュージカルナビゲーター)

18世紀の作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトと宮廷作曲家アントニオ・サリエリの確執を描いた映画『アマデウス』で、映画の終盤、『魔笛』と『レクイエム』の作曲が同時並行で行われていくシーンを覚えているだろうか。
サリエリ扮する死神に依頼された『レクイエム』の作曲に夢中になるモーツァルト。そんな彼に、興行主で台本作家のエマヌエル・シカネーダーが「おまえには気取った宮廷は向かない。観客が喜ぶ奇想天外な作品を作れ。観客にウケそうな曲も数曲入れて」と『魔笛』の作曲を依頼する。魔笛小屋でのドンチャン騒ぎのなかで名旋律が生み出され、妻コンスタンツェの口うるさい母親が夜の女王に結びついていく。原作の舞台『アマデウス』の作者ピーター・シェーファーが自ら脚色した映画ならではのアイデアが見事であった。
この映画からもわかるように、モーツァルト最晩年の舞台作品『魔笛』は、宮廷向けの高尚な「オペラ」ではなく、一般大衆向けの「歌芝居」として作られた。これはジングシュピール(Singspiel)と呼ばれ、歌だけで綴られるオペラとは異なり、台詞と歌で物語が進行する。今でいうミュージカルのようなものといえるだろう。

『英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ 2025/26』の『魔笛』は、この「歌芝居」の魅力が存分に堪能できる映像だ。2003年のプレミエ以来、今なおロンドンっ子に愛され続ける演出は、スコットランド出身の演出家デイヴィッド・マクヴィカーによるもの。闇と光の世界の美しいコントラストのなかで、ダンサーが操る「ライオン・キング」のような動物たちがうごめき、魔法の鈴の音が鳴ると、善き者も悪しき者も思わず笑顔になって踊り出す。
大人から子どもまで、クラシック音楽ファンはもちろん、映画や演劇、ミュージカル好きなど、誰もが楽しめる笑いとユーモアにあふれた作品だ。

ストーリーは、王子タミーノが夜の女王に頼まれて、ザラストロにさらわれた彼女の娘パミーナを鳥刺しパパゲーノとともに救出に向かう。魔法の笛に導かれて彼らが辿り着いたのはザラストロの神殿。実はザラストロは太陽を讃える賢者であり、この神殿でタミーノとパミーナは試練を乗り越え、光の世界で結ばれる。
大蛇が登場したり、魔法の笛や魔法の鈴がタミーノとパパゲーノの危機を救ったりと、映画『アマデウス』でシカネーダーがモーツァルトに語ったように、奇想天外な冒険物語が「観客にウケそうな」楽曲の連続で展開する。タミーノがパミーナの絵姿を見て恋に落ちる「なんと美しい絵姿」、パパゲーノが登場する「私は鳥刺し」、ザラストロが歌う「この聖なる殿堂では」、パミーナの悲しみのアリア「愛の喜びは露と消え」、そしてこのオペラで最も有名な夜の女王のアリア「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」など、誰もが一度は耳にしたことがある名曲が満載だ。
また、二重唱や三重唱、五重唱のような美しいハーモニーによる声楽アンサンブルも魅力。夜の女王の3人の侍女によるソプラノとメゾ・ソプラノ、アルトの女声三重唱や、彼女たちにタミーノ(テノール)とパパゲーノ(バリトン)を加えた混声五重唱、パミーナとパパゲーノによるソプラノとバリトンの二重唱、3人の童子の児童三重唱、神官たちの男声合唱「おおイシスとオシリスの神よ」、二人の神官がオクターブユニゾンで歌うテノールとバスの男声二重唱など、大衆に向けてヒットを狙う、ある意味筒美京平的なモーツァルトのメロディーメーカーぶりも認識できる。

このように、『魔笛』の出演者には、ソロとアンサンブルの両方の歌唱力と、コメディとシリアスの両方がこなせる演技力、そして芝居としての明快な台詞回しも求められる。この映像では、歌手たちの台詞と歌声のトーンが同じなので、喋り声がいきなり歌声に変わるといった違和感もなく、台詞から歌唱への移行が非常にスムーズ。彼らの歌と演技による物語の流れがとても自然なのだ。
タミーノのアミタイ・パティはサモア出身のニュージーランド人テノール。パミーナのルーシー・クロウはバロックから現代音楽までカバーする英国出身のリリック・ソプラノ。パパゲーノのヒュー・モンタギュー・レンドールは英国王立音楽大学出身の若手バリトン。ザラストロ役のソロモン・ハワードは、以前サンフランシスコ・オペラのカーテンコールで共演のソプラノ歌手にプロポーズしたことで話題を呼んだバス歌手。出番が少ないのに強烈な印象を残す夜の女王には、今世界でこの役を最も歌っているコロラトゥーラ・ソプラノの一人、アメリカのキャスリン・ルイックが扮している。
指揮は、パリ生まれの指揮者マリー・ジャコ。バイエルン州立歌劇場にてベルリン・フィル首席指揮者・芸術監督を務めるキリル・ペトレンコのアシスタントとなり、現在はデンマーク王立歌劇場首席指揮者として活躍する若手の有望株だ。幼少期はテニスプレーヤーとしての活躍を期待されていたという彼女の颯爽とした指揮姿にも注目したい。

 台本のシカネーダーは、パミーナとパパゲーノに「誰もがこのような魔法の鈴を持っていたら、敵はいなくなり、みんなが仲良く暮らせる。友情のハーモニーが争いを解決するのです」と歌わせている。モーツァルト生誕270歳となる2026年。世界中の人々が願う、昔も今も変わらない切なるメッセージだ。

2026.06.24

『ジークフリート』見どころをご紹介します

コラム

石川了(ジャーナリスト/音楽・映画・ミュージカルナビゲーター)

2026年は、ドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーの楽劇四部作『ニーベルングの指環』(以下、『指環』)がバイロイト祝祭劇場で全曲初演されてから150年。この節目の年にバイロイト音楽祭ではワーグナーのオペラ全10作品を上演する構想があったが、規模が大幅に縮小され、最終的に『さまよえるオランダ人』『リエンツィ』『パルジファル』そして『指環』の四部作にとどまった。音楽祭の開幕には、1872年バイロイト祝祭劇場定礎式でワーグナー自身が指揮したというベートーヴェンの『第九』が演奏される予定だ。

このメモリアルイヤーに英国ロイヤル・オペラでは、『指環』の三作目『ジークフリート』のニュープロダクションが上演された。アントニオ・パッパーノ指揮、バリー・コスキー演出で2023年にスタート。英国ロイヤル・オペラの『指環』としては19年ぶりの新制作となる。
『指環』は、無限の力を持つ黄金の指環を巡って、三世代にわたり天上と地上と地底で争奪戦を繰り広げる愛と憎しみと裏切りのドラマだ。四部作を通した上演時間はおよそ16時間。作曲に26年も費やしたワーグナー畢生の大作である。
コスキー版では、環境破壊後の世界のなかで、全裸の老婆(俳優が演じる)として登場する母なる大地の神エルダが、神々と人間、ニーベルング族による指環の争奪戦を見守るという視点で描かれている。

この『ジークフリート』からは、いよいよ恐れを知らない怪力の英雄ジークフリートが登場する。
破損した父の形見の宝剣ノートゥングを鍛え上げ、竜に姿を変えた巨人族のファフナーを退治して指環を手に入れたジークフリートは、眠れるブリュンヒルデを接吻で目覚めさせ、2人は愛を知る。登場人物の数も少なく、ストーリーもシンプル。会話や問答のなかで、指環のいきさつやジークフリートの出自、ブリュンヒルデの眠りの理由といった過去の顛末が語られるので、前二作(『ラインの黄金』『ワルキューレ』)を観ていなくても、ジークフリートの立場や状況がわかりやすい。
また、前二作はジークフリートが生まれる前の話だが、三作目からはジークフリートとブリュンヒルデが主人公となり、四作目『神々の黄昏』に直接ストーリーが続いていく。その意味でも、『ジークフリート』は四部作の転換点といえるだろう。

ワーグナー自身による『指環』の台本は、実は『神々の黄昏』『ジークフリート』『ワルキューレ』『ラインの黄金』の順で書かれていった。つまり、ワーグナーは全体の結末から逆算して話の流れをさかのぼり歌詞を紡いだのだ。
20世紀後半に“ジークフリート歌い”として一世を風靡したドイツのテノール歌手、ルネ・コロは、筆者がインタビューした際に、「ワーグナーは歌詞が最も重要で、歌詞から音楽が生まれたと言っていい」と語っていた。聖書からの引用も多く散りばめられているそうで、そのようなレトリックや言葉の裏に隠された意味を知らないと、ワーグナー作品の人物像は迫れないのだと言う。偉大なレジェンドは、台本作家としてのワーグナーに光を当てていたことが印象的であった。
一方、『指環』の作曲は、『ラインの黄金』から『神々の黄昏』へと順番通りに行われたが、『ジークフリート』の第二幕と第三幕の間にはおよそ12年の中断がある。その間に、ワーグナーは『トリスタンとイゾルデ』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』という二つの楽劇を完成させた。オーケストラの色彩感や音の分厚さなど、第二幕までの音楽と第三幕で印象が異なるのはそのためである。音楽的な意味でもやはり『ジークフリート』は転換点なのだ。
ちなみに、ワーグナーはリストの娘コジマとの間に生まれた長男にジークフリートと名付けた。コジマの誕生日には『ジークフリート牧歌』も作曲している(その旋律が第三幕に登場する)。ワーグナーにとってジークフリートは特別な存在だったのだろう。

実は、『英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ 2025/26』の『ジークフリート』の映像を、本原稿を書くために事前にPCで観ていたのだが、試写会で改めて鑑賞すると、前二作に比べて圧倒的に面白く、『ロビン・フッドの冒険』『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』のようなハリウッド冒険映画さながらのスリルやワクワク感が半端なかったのだ。
オーケストラや歌い手たちのリアルなサウンドも魅力で、アンドレアス・シャーガー(ジークフリート)の若々しくエネルギッシュな歌声と、円熟したピーター・ホーレ(ミーメ)のキャラクターヴォイスはとにかく圧巻。指揮棒を持たないパッパーノに導かれたオーケストラも怒涛の渦巻きのような迫力だった。
コメディあり、ファイトシーンあり、スペクタクルあり、フィルム・ノワールあり、ラブシーンあり。意表を突く仕掛けや舞台美術もあって、アッという間の5時間半だ。

パッパーノは、「『指環』をひとつの交響曲として考えると、『ワルキューレ』の後にワーグナーが必要としたのは、(リズムで機動力をつける)スケルツォだった」と分析する。そういえば、現在ベルリン州立歌劇場音楽総監督(カペルマイスター)を務めるクリスティアン・ティーレマンも、『指環』を作曲家に例えて、『ラインの黄金』はモーツァルト、『ワルキューレ』はベートーヴェン、『ジークフリート』はウェーバー、『神々の黄昏』はブルックナーと語っていた。いずれの言説も言い得て妙。『指環』は今なお名匠たちを魅了し、私たちを感動させてくれるのだ。

2026.06.12

『魔笛』タイムテーブルのご案内

項目 時間
■解説+インタビュー 11分
■第1幕 66分
休憩 10分
■解説+インタビュー 12分
■第2幕、カーテンコール 92分
上映時間:3時間9分

2026.06.08

『ジークフリート』タイムテーブルのご案内

項目 時間
■解説+インタビュー 17分
■第1幕 81分
休憩 14分
■解説+インタビュー 16分
■第2幕 78分
休憩 17分
■解説+インタビュー 12分
■第3幕、カーテンコール 89分
上映時間:5時間24分

本編中に一部ノイズがございます。
公演撮影時に生じたものとなりますため、大変恐れ入りますがご了承頂けますと幸いです。

2026.06.05

上映劇場変更のご案内

英国ロイヤル・オペラ「ジークフリート」につきまして、
上映劇場の休館に伴い、下記の通り上映劇場を変更させていただきます。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

■上映作品
英国ロイヤル・オペラ「ジークフリート」

■対象上映期間
2026年6月26日(金)~7月2日(木)

■変更内容
TOHOシネマズ 日本橋 → TOHOシネマズ 日比谷

※その他の上映劇場に変更はございません。
※その他の演目の上映劇場に変更はございません。