ニュース

2024.01.19

ロイヤル・バレエ『ドン・キホーテ』現地メディア評

ロイヤル・バレエの新シーズン開幕の夜はいつも気分が高揚する。幕開けを飾る演目が『ドン・キホーテ』となれば、そうならないわけがない。
The Times
(BY DEBRA CRAINE/OCTOBER 2, 2023)

★★★★
陽気さ、大勢によるアンサンブルの楽しさとエネルギー、まばゆいばかりのテクニックのショーケース
The Guardian
(BY LYNDSEY WINSHIP/OCTOBER 1, 2023)

『ドン・キホーテ』はロイヤル・バレエの2023年冬シーズンの幕開けを飾る作品であり、その崇高な選択が証明された。
London Unattached
(BY FIONA MACLEAN/OCTOBER 1, 2023)

★★★★
星を1つ減らしたとしても、あまりの楽しさにもう1つ星をつけなければならない。
Financial Times
(BY LOUISE LEVENE/OCTOBER 2, 2023)

ダンサーの華麗さと、ティム・ハットリーの見事なセットによって、10月の雨のロンドンから活気あふれるスペインの夏へといざなう。
Morning Star
(OCTOBER 13, 2023)

★★★★
活力に満ちている
THE STAGE
(BY SIOBHAN MURPHY/OCTOBER 2, 2023)

カルロス・アコスタが1869年のバレエに遊び心と熱意を込めて挑んだこの作品は、動きと音楽の楽しいマリアージュである。
THE NEW STATESMAN
(BY ZUZANNA LACHENDRO/OCTOBER 20, 2023)

2023.12.14

オペラ『ラインの黄金』を初心者でもわかりやすく解説します

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井内美香(オペラ・キュレーター)

英国ロイヤル・オペラが満を持して挑んだ『指環』に絶賛の嵐

英国ロイヤル・オペラ・ハウスのシネマ・シーズンに、ついに最強の演目が現れた。ワーグナーの四部作『ニーベルングの指環』の序夜《ラインの黄金》である。『指環』は世界中の歌劇場でもっとも人気のある演目の一つだが、壮大な世界観を描いた大作であるゆえに、上演する劇場側も覚悟を持って臨まねばならない作品だ。
英国ロイヤル・オペラは、開幕公演として9月に《ラインの黄金》を上演した。これから一年に一作ずつ『指環』を上演していく予定である。長年務めた音楽監督の役割が今シーズンで最後となるアントニオ・パッパーノは、最後のシーズン・オープニングにこの演目を指揮することを選んだ。演出を担ったのは、オペラ界で最も注目度が高い演出家の一人、バリー・コスキーである。同劇場で『指環』が新制作されるのは19年ぶりだ。
蓋を開けると、この新制作は大評判となり、世界中のジャーナリストから絶賛された。「キャストは弱い歌手が見つからず全員が素晴らしい出来栄えで、パッパーノ指揮はワーグナーの壮大さと緻密さの両方を見事に表現した(ガーディアン紙)」「バリー・コスキー演出の《ラインの黄金》は不気味で、鮮やかで、強烈だ(ニューヨーク・タイムズ紙)」「《ラインの黄金》が、アントニオ・パッパーノの指揮で開幕し、物語性の高い、起伏ある演奏が空前絶後の賛辞を受けた(音楽の友誌)」といった具合である。

強烈なコスキー演出

ワーグナー『指環』の特徴は、神々と人間の雄大な物語と、それを表現する、見事な織物のように織り上げられた音楽である。神々の傲慢から世界が滅亡の危機に陥るというストーリーは、さまざまな解釈が可能であり、演出家の腕の見せ所となっている。
コスキーはオーストラリア出身ユダヤ系の演出家だ。インタビューなどで「僕はユダヤのゲイのカンガルー」と自らを形容していることからも分かるように、人間の本質を痛烈な表現で観客に突きつける演出が持ち味である。
ここからは演出の内容を少しだけ紹介したい。《ラインの黄金》は、“愛を諦めた”醜い地底人アルベリヒによって作られた、権力の象徴であり呪いがかかった黄金の指環によって神々の世界の終わりが始まるという内容だが、コスキー演出では、冒頭部分から(俳優が演じる)白髪を長く伸ばし、痩せ衰えたひとりの老女が全裸と見える格好で、よろよろと舞台を横切るところから始まる。
この老女はオペラが上演されている間、舞台にずっと存在している。彼女は実は『指環』の要となる登場人物の一人、大地(=地球)の女神エルダだ。傲慢な神々の長年の行いが大地を荒らし、エルダはこのような姿になってしまっているのである。最後の方にエルダが歌う場面があるが、俳優が照明に照らされている間、オペラ歌手は暗がりの中から歌う。
神々は乗馬服のようなハイソサエティの格好をしている。一方、神々のために城を建設した巨人族はヤクザ者のようなスーツと身のこなし。そして地底に住むニーベルング族のアルベリヒとミーメは貧しい身なりで、恐ろしい顔の被り物をつけた子役たちがさらに虐げられた労働者を演じる。
これはまるで現代社会を鏡で写しているようではないか?コスキー演出は『指環』の世界を、今の人間社会が地球を破壊している様子に見事に重ねているのである。

パッパーノ指揮の元、望みうる最高のキャストが集結

英国ロイヤル・オペラのオーケストラを知り尽くしたパッパーノの指揮も、かつてないほどにパワフルだ。その一方で、次作以降にも重要となるライトモチーフ(物語のさまざまな事象を示す音楽的なモチーフ)群が巧みに鳴らされるのを聴くと、今後の展開への期待に胸がワクワクする。
歌手たちも強力だ。神々の長ヴォータンを歌ったのはクリストファー・モルトマン。はっきりとキャラクターを打ち出した力強い歌唱で魅了した。アルベリヒのクリストファー・パーヴェスは、ヴォータンと同じように欲望にまみれているが、神々と違って何も持たずに生まれてきた不幸な男を迫力を持って演じている。その他の登場人物にも、ワーグナーを上演するのに理想的なキャストが集結している。
《ラインの黄金》で提示された世界観は今後、どのように変化していくのだろうか?それを最大限に楽しむためにも、まずは今回の上演を見逃がさないようにしたい。

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2023.12.11

ロイヤル・オペラ『ラインの黄金』タイムテーブルのご案内

 

新シーズンのオープニングを飾るのは、映画『ロード・オブ・ザ・リング』にも影響を与えたとされる
ワーグナー畢生の大作『ニーベルングの指環』全四部作の「序夜」にあたるオペラ『ラインの黄金』

アントニオ・パッパーノ指揮、バリー・コスキー新演出で大胆に解釈した《ラインの黄金》。ロイヤル・オペラ・ハウスが4年かけて上演する、ワーグナー四部作『ニーベルングの指環』の第一章が幕を開ける!
オーストラリア出身のバリー・コスキーは現代演劇の考えと手法をオペラに大胆に持ち込み、時にはかなりの物議を醸しつつも、今や世界でもっとも忙しいオペラ演出家の一人。英国ロイヤル・オペラはワーグナーの四部作『ニーベルングの指環(リング)』の待望の新制作をコスキーにゆだねた。指揮は音楽監督としては今シーズンが最後の年となるパッパーノ。序夜《ラインの黄金》の初日が開くと、プレスと観客両方からの絶賛の嵐となった。
(上演日:2023年9月20日)


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【音楽・台本】:リヒャルト・ワーグナー
【指揮】:アントニオ・パッパーノ
【演出】:バリー・コスキー
【美術】:ルーフス・デイドヴィスス
【衣装】:ヴィクトリア・ベーア
【照明】:アレッサンドロ・カルレッティ
ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団

【出演】
ヴォータン:クリストファー・モルトマン
アルベリヒ:クリストファー・パーヴェス
ローゲ:ショーン・パニッカー
フリッカ:マリーナ・プルデンスカヤ
フライア:キアンドラ・ハワース
エルダ(の声):ウィープケ・レームクール
ドンナー:コスタス・スモリギナス
フロー:ロドリック・ディクソン
ミーメ:ブレントン・ライアン
ファーゾルト:インスン・シム
ファーフナー:ソロマン・ハワード
ヴォークリンデ:カタリナ・コンラディ
ヴェルグンデ:ニアフ・オサリバン
フロスヒルデ:マーヴィック・モンレアル
エルダ(俳優):ローズ・ノックス=ピーブルス

2023.12.07

ロイヤル・オペラ『ラインの黄金』現地メディア評

★★★★
整然とした演出は、コスキーのリング・サイクルの魅力的なスタートとなった。
大地の女神エルダの姿が終始登場し、自然界の荒廃というメッセージは明確だ。一様に強力なキャストに弱点はなく、ピットではパッパーノがワーグナーの壮大さと親密さを表現している。
The Guardian
(byAndrew Clements)

★★★★
バリー・コスキーは、4年にわたる新しいリング・サイクルの第1弾として、豪華さを抑え、より本質的なワーグナーのスペクタクルを創り上げた。
The Telegraph
(By Nicholas Kenyon/12 September 2023)

バリー・コスキーによるワーグナーの『ラインの黄金』は、4つのオペラからなる叙事詩の始まりであり、不気味で鮮やかで強烈だ。
The New York Times
(By Zachary Woolfe/12 September 2023)

演出家バリー・コスキーと指揮者アントニオ・パッパーノは、ロンドンの舞台で鮮やかで説得力のあるショーを作り上げた。
Financial Times
(by Richard Fairman/ SEPTEMBER 12 2023)

★★★★
これは、今後数年間にわたって展開されるリングを味わうものになるかもしれない。
クリストファー・モルトマンは真に偉大なヴォータンへの道を歩んでいる。
Evening Standard
(by BARRY MILLINGTON/12 SEPTEMBER 2023)

2023.11.10

イギリス国王チャールズ3世とカミラ王妃両陛下が戴冠式以来はじめてご臨席。特別な観客とともに『ドン・キホーテ』をご鑑賞。

ロイヤル・オペラ・ハウスは11月7日(水)、国民保健サービスの職員(National Health Service、通称NHS)、教師、ウクライナ避難民による合唱団、ロイヤル・バレエ・スクールのメンバーを特別に招待し『ドン・キホーテ』公演を開催した。
国王チャールズ3世とカミラ王妃両陛下のご訪問は戴冠式以来初めてとなり、NHS75周年と招待客の功績、そしてロイヤル・オペラ・ハウスが英国内外の多くの個人、グループ、学校と協力しバレエとオペラを地域社会の中心に据えていることを称えるため、本公演にご臨席された。



両陛下は満員の観客とともにロイヤル・バレエ団による『ドン・キホーテ』の壮大な舞台を楽しまれ、本公演は世界中の1281の映画館に放送された。(※日本公開は2024年1月26日~2月1日)
公演終了後にはバレエ芸術監督のケビン・オヘア、カルロス・アコスタ(『ドン・キホーテ』演出家)、ロイヤル・バレエ団のプリンシパル・ダンサーであるマヤラ・マグリとマシュー・ボールを含むバレエ団メンバーが国王チャールズ3世とカミラ王妃両陛下と会見し、両陛下は彼らの目覚ましい活躍を祝福した。



NHS75周年を記念する本公演には、パンデミック時のNHS職員の働きに感謝するために2020年に始まった〈ROH Thanks the NHS〉の一環として600人以上のNHSスタッフが参加。この取り組みでは、10,000人以上のNHS職員が公演チケットの大幅割引を享受している。



さらに、ロイヤル・オペラ・ハウスのウクライナ人コミュニティへの継続的な支援の一環として、戦争で家を失った130人のウクライナ人で構成されるSongs for Ukraine合唱団が招かれた。この合唱団は歌うことを通じて希望を鼓舞することを目的として昨年設立され、春のデビュー公演の成功を受けて12月にブラッドフォード大聖堂とロイヤル・オペラ・ハウスのポール・ハムリン・ホールで開催される2つの華やかなクリスマス・コンサートで再び共演が予定されている。

2023.11.02

『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2023/24』厳選されたラインナップ全8演目の公開日決定!心揺さぶる舞台の魅力が詰まった日本版予告映像とポスタービジュアル解禁!

世界最高の名門歌劇場である英国ロイヤル・オペラ・ハウスで上演されたバレエとオペラの舞台を、特別映像を交えてスクリーンで体験できる「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」。
この度、新シーズンを、『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2023/24』と題し、2023年12月15日(金)~2024年9月26日(木)までの期間中、全8演目を各1週間限定にて全国公開することが決定いたしました。ライブでの観劇の魅力とは一味違う、映画館の大スクリーンと迫力ある音響で、日本にいながらにして最高峰のオペラとバレエの公演を堪能できる、至極の体験をお届けします。

「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2023/24」がいよいよ開幕!
厳選された4本のオペラと4本のバレエがラインナップ!
全8演目と公開日が決定&日本版予告映像とポスタービジュアルも到着!

「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」は、ロンドンのコヴェント・ガーデンにある歌劇場“ロイヤル・オペラ・ハウス” (通称ROH)で上演された世界最高峰のバレエとオペラを映画館で鑑賞できる人気シリーズ。世界最高クラスのパフォーマンスを大スクリーンで体験できることに加え、リハーサルの様子や舞台裏でのインタビューなどの特別映像も堪能できるということで、シーズンを重ねるごとにファンが増えています。
新シーズン、オペラのオープニングを飾るのは、映画『ロード・オブ・ザ・リング』にも影響を与えたとされるワーグナー畢生の大作『ニーベルングの指環』全四部作の「序夜」にあたる『ラインの黄金』(12月15日公開)。今回の新制作では、世界的な人気演出家バリー・コスキーが、その奇抜なアイデアで観るものの想像をはるかに超える舞台を創り上げます。次期音楽監督にチェコの指揮者ヤクブ・フルシャを迎えると発表したROH。新シーズンでは、2002年以来音楽監督を務めるアントニオ・パッパーノのラストシーズンとなります。そして、「ROHシネマシーズン」をスタート時から牽引してきたパッパーノは、その集大成として、19世紀中盤から20世紀初頭のフランス・ドイツ・イタリアのオペラの名作をラインナップ。日本人なら一度は観ておきたい名作オペラ『蝶々夫人』は、2003年に初演されたモッシュ・ライザー&パトリス・コーリエ演出プロダクションを、より日本人らしい所作を取り入れアップデートした2022年改訂版の再演。『カルメン』ではコロラトゥーラ・メゾソプラノの珍しい声を持ち、いま最も期待されるアイグル・アクメチーナのカルメンに大注目!『アンドレア・シェニエ』ではパッパーノがロイヤル・オペラ・ハウス音楽監督として最後のステージに華を添えます。オーソドックスなグランドオペラから斬新な読み替えまで、演劇の国ならではの演出重視のパフォーマンスと、グローバル都市ロンドンを象徴する国際色豊かなアーティストの競演が見どころです。
そしてバレエの幕開けはスペインを舞台にした陽気なコメディ作品『ドン・キホーテ』(2024年1月26日公開)、バレエを観るのが初めての方でも楽しめる快作です。冬の風物詩『くるみ割り人形』、ロイヤル・バレエ版は幾多の「くるみ」の中でも物語性が高く、ファンタジックで家族連れにも大人気です。ロイヤル・バレエは演劇の国英国ならではのドラマティック・バレエも得意ですが、その中でも最高傑作とされる『マノン』は、華麗で退廃的な世界観と究極の愛の姿を見せて、深く心に残る作品となるでしょう。シーズンを締めくくる『白鳥の湖』は言わずと知れたバレエの代名詞。世界トップクラスのダンサーたちが、チャイコフスキーのあまりにも美しく心を揺さぶる旋律に乗せて、圧巻のドラマをお届けします。

この度、到着した日本版予告編には、冒頭、リヒャルト・ワーグナー作曲の『ラインの黄金』の壮大な世界観を感じさせる音楽とともに、シーズンを彩る各作品のワンシーンが次々と登場。後半では、全8作品の厳選されたラインナップの詳細が紹介され、期待の高まる予告映像となっています。併せて到着した日本版ポスターには、『白鳥の湖』の幻想的な名場面をはじめとした各作品のメインカットとともに「映画館の扉を開けるとそこは、バレエとオペラの魔法の空間。」という魅惑的なコピーが添えられ、新シーズンの華々しい幕開けに心躍る仕上がりとなっています。

【全8演目】
◆オペラ演目:①『ラインの黄金』、②『蝶々夫人』、③『カルメン』、④『アンドレア・シェニエ』
◆バレエ演目:①『ドン・キホーテ』、② 『くるみ割り人形』、③『マノン』、④『白鳥の湖』

12月15日(金)より、いよいよ開幕する『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2023/24』が贈る情熱と魅惑に満ちた至福の時間を、是非映画館でご体験ください!

【2023/24 全8演目と公開日】※1週間限定公開※
①ロイヤル・オペラ『ラインの黄金』2023年12月15日(金)
②ロイヤル・バレエ『ドンキホーテ』2024年1月26日(金)
③ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』2024年2月16日(金)
④ロイヤル・バレエ『マノン』2024年4月5日(金)
⑤ロイヤル・オペラ『蝶々夫人』2024年6月7日(金)
⑥ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』2024年6月14日(金)
⑦ロイヤル・オペラ『カルメン』2024年9月6日(金)
⑧ロイヤル・オペラ『アンドレアシェニエ』2024年9月20日(金)

<上映劇場>
*札幌シネマフロンティア(北海道)
*フォーラム仙台(宮城)
*TOHOシネマズ 日本橋(東京)
*イオンシネマ シアタス調布(東京)
*TOHOシネマズ 流山おおたかの森(千葉)
*TOHOシネマズ ららぽーと横浜(神奈川)
*ミッドランドスクエア シネマ(愛知)
*イオンシネマ 京都桂川(京都)
*大阪ステーションシティシネマ(大阪)
*TOHOシネマズ 西宮OS(兵庫)
*中洲大洋映画劇場(福岡)※③バレエ『くるみ割り人形』まで上映
*kino cinéma天神(福岡)※④バレエ『マノン』より上映

2023.11.01

本日11月1日は「ワールド・バレエ・デー」

本日11月1日は「ワールド・バレエ・デー」
世界有数の50以上のバレエ団とダンスカンパニーが一同に会する世界的な祭典です。
ロイヤル・バレエ団でもリハーサル、クラス、ディスカッションなどが配信される予定です。

ぜひバレエ界の大スターや新進パフォーマーたちの舞台裏をご覧ください!

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2023.09.15

ロイヤル・オペラ『イル・トロヴァトーレ』タイムテーブルのご案内

 

史上最大のスケールでお贈りしたシーズンもいよいよフィナーレへ!
ラストを飾るのは、ヴェルディ中期の三大傑作のひとつ『イル・トロヴァトーレ』

ヴェルディ中期の三大傑作といわれる《リゴレット》《イル・トロヴァトーレ》《椿姫》の中で、もっとも幻想的なストーリーを持つのが中世のスペインを舞台にした《イル・トロヴァトーレ》。それは、夢見るような美しい旋律にあふれた傑作オペラ――。
(上演日:2023年6月13日)


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【音楽】:ジュゼッペ・ヴェルディ
【台本】:サルヴァトーレ・カンマラーノ(台本補筆:レオーネ・エマヌエーレ・バルダーレ)
【原作】:アントニオ・ガルシア・グティエレスの戯曲『エル・トロバドール』)
【指揮】:アントニオ・パッパーノ
【演出】:アデル・トーマス
【美術・衣裳】:アンマリー・ウッズ
【照明】:フランク・エヴィン
【振付】:エマ・ウッズ
【ファイト・ディレクター(殺陣師)】:ジョナサン・ホービー
【ドラマツルク】:ベアーテ・ブライデンバッハ
ロイヤル・オペラ合唱団(合唱指揮:ウィリアム・スポールディング)
ロイヤル・オペラハウス管弦楽団(コンサートマスター:シャロン・ロフマン)

【出演】
レオノーラ:レイチェル・ウィリス=ソレンセン
マンリーコ:リッカルド・マッシ
ルーナ伯爵:リュドヴィク・テジエ
アズチェーナ:ジェイミー・バートン
フェルランド:ロベルト・タリアヴィーニ
イネス:ガブリエーレ・クプシーテ
ルイス:マイケル・ギブソン
ロマの老人:ジョン・モリッシー
使者:アンドリュー・オコナー

2023.09.15

オペラ『イル・トロヴァトーレ』を初心者でもわかりやすく解説します

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香原斗志(オペラ評論家)

オペラ《イル・トロヴァトーレ》が最高に魅力的な理由

勇猛果敢な、または、おどろおどろしいイメージがある《イル・トロヴァトーレ》には、そういう音楽もあるが、それ以上に、美しいメロディがあふれんばかりに詰めこまれている。耳に最高の幸福をもたらしてくれるオペラだと、アントニオ・パッパーノが指揮する演奏を聴いて、あらためて実感した。
描かれているのは、美しい物語でも幸福な物語でもない。それなのに、なぜこうもメロディが心に染み入るのだろうか。そして、物語に没入させられるのだろうか。

真摯な感情が美しいメロディとからみ合う

物語はじつに刺激的である。
伯爵に母親を火あぶりにされたロマの女のアズチェーナは、復讐のため、伯爵の2人の息子のうち1人をさらって火中に投げたつもりが、誤って自分の息子を――。結局、彼女は手もとに残った男児を育て、それが「トロヴァトーレ(吟遊詩人)」のマンリーコに成長して、宮廷の女官のレオノーラと愛しあっている。だが、ルーナ伯爵、すなわち先代伯爵のもう1人の息子も彼女に思いを寄せていて、マンリーコに激しく嫉妬している。伯爵はとうとうマンリーコを処刑するが、それは自分の弟だった――。
ドラマはこうして終始、スリリングに展開する。このストーリーを荒唐無稽だと後ろ向きに評するムキは昔からあるが、筆者はまったく同意しない。作曲したヴェルディが音楽をとおして、あらゆる場面に深いリアリティをあたえているからである。このため、すぐれた演奏が得られると、俄然、真実味が加わる。

たとえば第4幕。捕らえられたマンリーコへの思いを歌うレオノーラのソロは、メロディがすこぶる美しい。そこには彼女の心情の深さが反映されている。続く場面でレオノーラは、ルーナ伯爵にマンリーコの命乞いをし、代わりに自分のからだを捧げると伝えて毒をあおる。そのアップテンポの音楽に聴き入ってしまうのも、死を賭してでも恋人の命を守りたいレオノーラと、やっと思いを遂げられると信じるルーナ伯爵が、いだく感情はまったく異なってもそれぞれ真剣だからである。
第3幕、マンリーコがレオノーラへの愛を歌うアリアも、うっとりするほど美しくて真摯な思いを裏づけるし、そこにアズチェーナが捕らえられたという知らせが届いて歌う、アリアの勇壮な後半部には、母を救おうという強い決意が表されている。
また、第2幕でマンリーコに向かって、自分の子を火に放り込んでしまったと歌い、「では自分はだれの子なのか」と問われると、「私の子だよ」「大切に育ててきたじゃないか」と答えるアズチェーナ。育てたのは憎き伯爵の子だという思いと、育てながら宿った母親としての思いが複雑に入り組むさまが、音楽で見事に描かれる。

どの場面も真摯な感情が心揺さぶるメロディとからみ合い、美しさと力強さのなかで物語が真に迫る。聴く(見る)側は否応なくドラマのなかに引きずり込まれ、メロディに心を預けざるをえなくなる。

深い感情を注ぎ込む歌手たちと寓話的な演出がマッチ

ただし、いま記したことは、このROHの《イル・トロヴァトーレ》のような質が高い公演であれば、という条件がつく。むろん、作品自体に力があるが、そのポテンシャルを引き出せるかどうかは演奏、そして演出次第である。
パッパーノはこのオペラ全体を覆う夜の雰囲気をたくみに醸し出し、歌手の呼吸を測りながらたっぷり歌わせる。だが、歌手まかせではない。歌手の声を存分に引き出しつつ、ヴェルディが楽譜に記した発想記号にしたがい、声を細かくコントロールさせながら感情を豊かに表現させる。だから、心に染み入るメロディにも勇壮な音楽にも、登場人物の真摯な生きざまが感じられて聴く(見る)人の心を打つ。

マンリーコ役のリッカルド・マッシ(テノール)はスタイリッシュな声と歌唱で、高いドの音(ハイC)も輝かしい。ルーナ伯爵役のリュドヴィク・テジエ(バリトン)は格調高い響きで、たんなる悪役に堕さない。アズチェーナ役のジェイミー・バートン(メッゾ・ソプラノ)は湧き出る声に深い感情が宿る。
レオノーラ役は、体調不良で降板したマリーナ・レベカの代役、若いレイチェル・ウィリス=ソレンセン(ソプラノ)だが、技巧もふくめた歌唱水準の高さもさることながら、純粋で美しい心を表現できないとドラマを弛緩させてしまうこの役を、見事に歌った。フェルランドのロベルト・タリアヴィーニ(バス)も、品格ある声でドラマを引き締めた。

舞台は15世紀のスペイン。演出のアデル・トーマスはあえて時代設定をそのままにし、15世紀のヒエロニムス・ボスや16世紀のピーテル・ブリューゲルの絵画に描かれた、怪奇性に富んだシュールな世界を視覚的に表現した。舞台に寓話的なおもしろさが加わり、耳のほかに目も十分に楽しませてくれる。

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2023.08.21

ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』タイムテーブルのご案内

 

史上最大のスケールでお贈りした今シーズンも、いよいよフィナーレへ!
第二次世界大戦後、劇場の眠りを覚ませ、新時代の幕開けを飾った特別な作品それが、
チャイコフスキーの比類なき傑作、ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』

チャイコフスキー三大バレエの中でも、巨匠マリウス・プティパがチャイコフスキーと密接に協力し創り上げられた本作は、第二次世界大戦後にロイヤル・オペラ・ハウスが再開したときに初演され、新時代の幕開けを飾った記念すべき作品として受け継がれてまいりました。ロイヤル・バレエの歴史において特別な演目であり、そしてグランドバレエの魅力がすべて詰まった名作中の名作をぜひお楽しみください。
(上演日:2023年5月24日)


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【振付】:マリウス・プティパ
【改訂振付】:フレデリック・アシュトン、アンソニー・ダウエル、クリストファー・ウィールドン
【演出】:ニネット・ド・ヴァロワ、ニコラス・セルゲイエフに基づきモニカ・メイソン、クリストファー・ニュートン
【音楽】:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【指揮】:ジョナサン・ロー
【出演】:
オーロラ姫/ヤスミン・ナグディ、
フロリモンド王子/マシュー・ボール、
カラボス/クリステン・マクナリー、
リラの精/マヤラ・マグリ、
澄んだ泉の精/アネット・ブヴォリ、
魔法の庭の精/イザベラ・ガスパリーニ、
森の草地の精/前田紗江、
歌鳥の精:ソフィー・アルナット、
黄金のつる草の精/崔由姫、
フロレスタン/カルヴィン・リチャードソン、
フロレスタンの姉妹/前田紗江、
アネット・ブヴォリフロリナ姫/イザベラ・ガスパリーニ、
青い鳥/ジョセフ・シセンズ