ロイヤル・オペラ

ラ・ボエーム

La bohème

  • 【音楽】ジャコモ・プッチーニ
  • 【台本】ジュゼッペ・ジャコーザ
    ルイージ・イッリカ
    (アンリ・ミュルジェールの小説「ボヘミアン生活の情景」より)
  • 【指揮】ケヴィン・ジョン・エドゥセイ
  • 【演出】リチャード・ジョーンズ
  • 【再演演出】ダニエル・アーバス
  • ロイヤル・オペラ合唱団(合唱指揮:ウィリアム・スポールディング)
  • 【出演】マルチェッロ:アンドレイ・ジリホフスキー
    ロドルフォ:フアン・ディエゴ・フローレス
    コッリーネ:マイケル・モフィディアン
    ショナール:ロス・ラムゴビン
    ベノア:ジェレミー・ホワイト
    ミミ:アイリーン・ペレス
    パピニョール:アンドリュー・マクネア
    ムゼッタ:ダニエル・ドゥ・ニース
    アルチンドーロ:ウィン・ペンカルレグ
  • 【上映時間】2時間58分

オペラ界のスーパースター、フローレスが英国ロイヤルの《ラ・ボエーム》に出演!
貧しい芸術家たちの“青春の歌”を感情豊かに歌い上げる。

イタリアオペラの巨匠プッチーニの若き日の傑作で、ミュージカル『レント』の原作としても知られる『ラ・ボエーム』。若くて貧乏な詩人ロドルフォは、可憐な娘ミミと恋に落ちる。芸術家たちが一緒に暮らす屋根裏部屋から、クリスマス・イヴのお祭り騒ぎへ、だがやがて楽しい時はうつろい、辛い別れが訪れる。誰でも一度は経験したことのある若さゆえのきらめきと絶望を、胸を打つメロディーで歌い上げる《ラ・ボエーム》は、数あるオペラの中でももっとも愛される名作の一つだ。

英国ロイヤルで2017年に初演されたリチャード・ジョーンズ演出のプロダクションは、近年多い現代的な読み替えではなく、台本の指定に沿った時代と設定で劇が進行する。詩人ロドルフォを歌うのはオペラ界のトップに君臨するテノール歌手、フアン・ディエゴ・フローレス。第1幕の屋根裏部屋でロドルフォとミミが出会う場面では、フローレスの歌のフレージングの美しさが聴きどころだ。第1幕の後半にある彼の有名なアリア「冷たい手を」でも、輝かしいハイC(高音のド)がオペラハウスに響き渡る。ミミを歌うのはソプラノのアイリーン・ペレス。感情がこもった歌が素晴らしく、健気で愛情深いミミ役を演じている。画家マルチェッロには注目のハンサムなバリトン、アンドレイ・ジリホフスキーが出演。奔放なムゼッタ役にはやはりスター歌手のダニエル・ドゥ・ニースが出演して観客を魅了する。ちなみに第2幕は合唱が大きな聴きどころで、それに加えて子供たちのコーラスも抜群の可愛さだ。またカフェのボーイ役などの俳優たちの演技も見ていて飽きない。第3幕以降はロドルフォとミミ、マルチェッロとムゼッタの二組のカップルの葛藤と別れが描かれ、それもロドルフォとミミには永遠の別れが待っている。原作の小説家ミュルジェールは当時の自分達のリアル・ライフを小説にし、それを若きプッチーニが共感を持ってオペラ化した。ここには青春のすべてがある。

【STORY】
19世紀、パリ。貧しいけれど夢にあふれた四人の若き芸術家たちは屋根裏部屋で共同生活をしている。クリスマス・イヴを祝うため皆はカルチェ・ラタンにくりだすことにするが、詩人のロドルフォは仕事を終えるため独り部屋に残る。そこにお針子ミミが、消えてしまったロウソクの火を借りにきて、二人は恋に落ちる。画家のマルチェッロもカフェ・モミュスで再会したかつての恋人ムゼッタとよりを戻す。だが幸せな時は続かなかった。貧しさゆえに病気が悪化するミミを心配するロドルフォに、ミミは別れを告げる決心をするが…。