ロイヤル・オペラ

カルメン

Carmen

  • 【音楽】ジョルジュ・ビゼー
  • 【台本】アンリ・メイヤック、リュドヴィク・アレヴィ
  • (原作:プロスペル・メリメの1845年の小説「カルメン」) 
  • 【指揮】アントネッロ・マナコルダ
  • 【演出】ダミアーノ・ミキエレット
  • 【美術】パオロ・ファンティン
  • 【衣裳】カルラ・テーティ
  • 【照明】アレッサンドロ・カルレッティ
  • 【ドラマツルク】エルサ・ザニノット
  • ロイヤル・オペラ合唱団(合唱指揮:ウィリアム・スポールディング) 
  • ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団(コンサートマスター:マグナス・ジョンストン) 
  • 【キャスト】モラレス:グリシャ・マルティロスヤン
    ミカエラ:オルガ・クルチンスカ
    ドン・ホセ:ピョートル・ベチャワ
    スニガ:ブレイズ・マラバ
    カルメン:アイグル・アクメチーナ
    フラスキータ:サラ・デュフレーヌ
    メルセデス:ガブリエーレ・クプシーテ
    エスカミーリョ:コスタス・スモリギナス
    ダンカイロ:ピエール・ドワイアン
    レメンダード:ヴァンサン・オルドノー
    ボヘミアン:ダヴィッド・キンバーグ
    オレンジ売り:ルイーズ・アーミット
  • 【上映時間:3時間30分】 

英国ロイヤル・オペラが上演する、ジョルジュ・ビゼー作曲による『カルメン』は2015年に演出した『カヴァレリア・ルスティカーナ』『道化師』でオリヴィエ賞を受賞した、世界で最も人気のある演出家の一人ダミアーノ・ミキエレットが新演出したもの。ミキエレットは『カルメン』を、「生きる喜びを祝う、人生の讃歌」と捉え、誰もが虜になる女性、カルメンが自分らしく生きようとする姿と彼女の前に立ちはだかる運命を描いていく。

ミキエレットの『カルメン』は20世紀スペインの田舎町に設定されている。英国ロイヤルの合唱団が演じる人々は、太陽が照りつけ、埃が舞う土地での閉塞感の中で生きる人々の汗の匂いがしてきそうなリアルさだ。さらに、児童合唱も歌に演技に活躍するだけでなく、全幕を通してドン・ホセの母親を思わせる人物が黒装束で登場し、息子を見張り、カルメンに運命を告げるのも特徴である。

カルメン役を務めるのは、まだ20代後半という若さのアイグル・アクメチーナ。英国ロイヤルの超難関の研修コースである、ジェット・パーカー・アーティスト・プログラム出身で、全音域むらのないビロードのような声とまれにみる音楽性を併せ持ち、今やMETからグラインドボーンまで制覇する、オペラ界の新星だ。その他の主役たちも素晴らしく、世界的テノール、ピョートル・ベチャワのドン・ホセが歌う切々とした「花の歌」、ミカエラ役のオルガ・クルチンスカも安定した歌唱や、エスカミーリョのコスタス・スモリギナスは伊達男っぷりが注目だ。
このプロダクションは現地の評論でも演出、音楽の両面で絶賛され、英国ロイヤルの今を表す名舞台となっている。まだ名作オペラを知らない人も、このオペラを愛する人も、誰もが魅了されるアクメチーナのカルメンをぜひお見逃しなく。

【STORY】
スペインのセビリア。広場で皆に囲まれたカルメンは、唯一彼女に目を向けない軍人ドン・ホセを誘惑する。ドン・ホセは故郷の母の便りを持って訪ねてきたミカエラと会い一瞬自分を取り戻すが、工場で喧嘩騒ぎを起こして逮捕されたカルメンの誘惑に負け、彼女の逃走を助けて自身が牢屋に入れられてしまう。仲間たちの酒場で、釈放されたドン・ホセを待つカルメン。ドン・ホセはカルメンたちロマの密輸団に入ることになる。だが二人の仲はすぐに悪化し、闘牛士エスカミーリョの恋人になったカルメンにドン・ホセは復縁を迫るが…。