ロイヤル・オペラ

スペードの女王

The Queen of Spades

  • 【作曲】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
  • 【演出】ステファン・ヘアハイム
  • 【指揮】アントニオ・パッパーノ
  • 【出演】セルゲイ・ポリャコフ
    (ゲルマン)
    ウラディーミル・ストヤノフ
    (エレツキー公爵)
    エヴァ=マリア・ウェストブロック
    (リーザ)
    フェシリティ・パーマー
    (伯爵夫人)

若い士官ゲルマンは、伯爵家の娘リーザに燃えるような恋をしている。だがリーザにはエレツキー公爵という婚約者がいた。
ゲルマンは身分違いの恋を成就させるために、賭け事に必ず勝てる3枚のカードの秘密をリーザの祖母、伯爵夫人から聞き出そうとするのだが…。

帝政ロシアのサンクトペテルブルクを舞台に、野心に満ちた青年士官が狂気に取り憑かれ、自分と恋人を破滅へ追い込むまでを描いた名作。
プーシキンの小説を原作にチャイコフスキーがオペラ化した。
《白鳥の湖》《くるみ割り人形》《眠りの森の美女》などのバレエや、オペラ《エフゲニー・オネーギン》でおなじみの優美な音楽に加え、悪徳をはらんだドラマチックな展開が息をもつかせない。

英国ロイヤル・オペラの《スペードの女王》は、ノルウェー出身の売れっ子演出家ステファン・ヘアハイムが手がけ大評判になったプロダクションの上演である。
ヘアハイムは舞台にチャイコフスキーを登場させ、この悲劇を作曲家自身の不幸と重ね合わせて読み解いた。
スター歌手たちの出演も魅力だ。ゲルマン役にはアレクサンドルス・アントネンコに代わりセルゲイ・ポリャコフ、そして今回の演出ではチャイコフスキー役も兼ねるエレツキー公爵役に演技派のウラディーミル・ストヤノフ、美貌のリーザにエヴァ=マリア・ウェストブロック、そして老伯爵夫人役にフェシリティ・パーマーが出演する。
パッパーノの指揮はチャイコフスキーのドラマを浮き彫りにしてくれるだろう。

<あらすじ>
士官ゲルマンは名前も知らぬ令嬢に恋をしていた。公園で出会ったエレツキー公爵から、彼女が伯爵夫人の孫娘で公爵の婚約者であることが分かる。ゲルマンは友人のトムスキーから、伯爵夫人が若かりし頃、パリのサン・ジェルマン伯爵から絶対に負けない三枚のカードを教えてもらったという話を聞く。リーザと相思相愛となったゲルマンは逢い引きをするつもりで彼女の屋敷に忍び込み、魔が差して3枚のカードの秘密を教えるように伯爵夫人を脅迫し、夫人は恐怖から死んでしまう。伯爵夫人の幽霊はゲルマンにカードの秘密を告げる。リーザと逃げるはずだったゲルマンは彼女を振り切って賭博場に駆けつけ勝負に挑むのであった。