ロイヤル・オペラ

トゥーランドット

Turandot

  • 《トゥーランドット》全 3 幕
  • 【音楽】ジャコモ・プッチーニ(フランコ・アルファーノ補筆版)
  • 【台本】ジュゼッペ・アダーミ、レナート・シモーニ (原作:カルロ・ゴッツィによる寓話劇「トゥーランドット」)
  • 【指揮】アントニオ・パッパーノ
  • 【演出】アンドレイ・ セルバン
  • 【再演演出】ジャック・ファーネス
  • 【美術・衣裳】サリー・ジェイコブス
  • 【照明】F ・ミッチェル・ダナ
  • 【振付】ケイト・フラット
  • 【振付記譜】タチアナ・ノヴァエス・コエーリョ
  • ロイヤル・オペラ合唱団(合唱指揮:ウィリアム・スポールディング)
  • ロイヤル・オペラハウス管弦楽団(首席客演コンサートマスター:ヴァスコ・ヴァッシレフ)
  • 【キャスト】トゥーランドット姫:アンナ・ピロッツィ
    カラフ:ヨンフン・リー
    リュー:マサバネ・セシリア・ラングワナシャ
    ティムール:ヴィタリー・コワリョフ
    ピン:ハンソン・ユ
    パン:アレッド・ホール
    ポン:マイケル・ギブソン
    アルトゥム皇帝:アレクサンダー・クラベッツ
    官吏:ブレイズ・マラバ
    児童合唱:ユース・オペラ・カンパニー
  • 【上映時間】3 時間 12 分

プッチーニの最後のオペラ《トゥーランドット》が、
英国ロイヤルの傑作プロダクションと名匠パッパーノの指揮で蘇る!

プッチーニのオペラでも近年特に人気が高い《トゥーランドット》。若い頃に書いた《ラ・ボエーム》《トスカ》《蝶々夫人》などでは、感情表現の豊かさがプッチーニの大きな魅力となっているが、最後の作品《トゥーランドット》は、おとぎ話に隠された残酷さや真理、オーケストラのモダンな響きが現代人の感性にマッチする魅力がある。そして、《トゥーランドット》といえば有名なのがテノールのアリア「誰も寝てはならぬ」。今回は韓国出身のヨンフン・リーが情熱的な歌唱でカラフ役を演じている。題名役のトゥーランドットを歌うのはアンナ・ピロッツィ。圧倒的なテクニックと声の威力、そして細やかな演技で、氷のような姫君を浮き彫りにして見事だ。女奴隷リューは、英国ロイヤルの若手歌手研修コース(JPYAP)出身のマサバネ・セシリア・ラングワナシャがクリスタルな美声と詩情に溢れた歌で好演している。アンドレイ・セルバンの演出は、1984年の初演から英国ロイヤルの傑作プロダクションとして長く愛されてきた名舞台である。伝統的な中国を想起させる舞台に、仮面をつけたダンサーたちの踊りが生命を与え、登場人物たちの明快な性格づけなど、このオペラの醍醐味を余すところなく伝えてくれる。

指揮は名匠パッパーノ。英国ロイヤルを音楽監督として長年率いてきたパッパーノは来年の退任が決まっている。何とパッパーノが劇場で《トゥーランドット》を指揮するのは今回が初めての挑戦である。研ぎ澄まされた感性で音の細部まで表現し、現代的なアプローチで作品の魅力を引き出した演奏は大絶賛された。

【STORY】
おとぎ話の時代の中国、北京。皇帝の娘トゥーランドットは絶世の美女だが、求婚する者に三つの謎を出題し、答えられなければ首をはねるという布令を出していた。だが諸国からの挑戦者は後をたたず、彼らは一人残らず処刑されていた。そこに祖国を敵に追われ流浪しているタタールの王子カラフがやってくる。生き別れになっていた父王ティムールと再会し喜ぶカラフ。年老いたティムールを支えてきた女奴隷リューは、カラフがかつて王宮で彼女に微笑んだことから彼を一途に思っていた。トゥーランドット姫の残酷な布令を知り初めは反発を覚えたカラフだが、姫を一目見た瞬間にその魅力に取り憑かれ、挑戦を決めてしまう。