Madama Butterfly
音楽:ジャコモ・プッチーニ
「ある晴れた日に」に象徴されるプッチーニの美しい日本的旋律―。
明治時代の長崎を舞台に描く悲劇の名作オペラ『蝶々夫人』
米海軍士官ピンカートンと「結婚」し、「夫」の帰国後も彼との愛を信じたが、待ち続けた「夫」はアメリカ人の妻を連れていた――。明治時代中ごろの長崎で、こうして生き場所を失った蝶々さんの悲劇は、世界中で客席に涙を誘い続けている。
没落した大村の士族の娘がヒロインの『蝶々夫人』は、ジョン・アーサー・ロングの短編小説にもとづくデイヴィッド・ベラスコの戯曲が原作だが、小説では蝶々さんが自死を遂げる結末ではなかった。その当時、外国人居留地に数多くいた「現地妻」が自死に至ったという記録はないが、蝶々さんが自らの名誉を守るために死を選ぶ結末になったことで、この女性の純真さも、苦悩も、強さも伝わり、観る人の心を強く打つ。
音楽を担当したジャコモ・プッチーニは、日本の雰囲気を出すために、イタリア駐在特命全権公使だった大山綱介の妻・久子から日本の音楽を収集し、意味を切り離して随所に散りばめた。そうして日本の雰囲気を強く出しながら、さまざまな和声の技法を駆使しつつ、美しいメロディで彩った。
1904年2月のミラノ・スカラ座における初演こそ、反対派の妨害で散々だったが、その3カ月後、改訂版をブレーシャで上演して圧倒的な成功を収め、以来、今日まで人気が途切れたことがない。(文/香原斗志(音楽評論家))
(2024年9月30日 オペラ・バスティーユにて収録/上映時間:2時間37分)
音楽:ジャコモ・プッチーニ
言語:イタリア語
演出:ロバート・ウィルソン
台本:ルイージ・イッリカ、ジュゼッペ・ジャコーザ
指揮:スペランツァ・スカップッチ
映像監督:フランソワ・ルシヨン
映像共同制作:パリ・オペラ座、フランソワ・ルシヨン・エ・アソシエ
日本語字幕監修:香原斗志
【プログラム】
上映時間:2時間37分
※休憩時間はございません。予めご了承くださいませ。
●第1幕
アメリカ海軍士官ピンカートンは長崎での任務のあいだ仲介人ゴローから家を借り、併せて紹介された若い芸者・蝶々さんとの結婚を決める。領事シャープレスは軽い気持ちの結婚に警告を与えるが、ピンカートンは聞き入れない。一方、蝶々さんは夫となる彼のために先祖代々の宗教を捨て改宗する。結婚式の最中、彼女の叔父で僧侶のボンゾが現れ、改宗を激しく非難し呪いの言葉を浴びせる。親族から絶縁され失意の蝶々さんをピンカートンが慰め、ふたりは愛を誓う。
●第2幕&第3幕
それから三年が過ぎ、蝶々さんはアメリカに帰国した夫の帰りを信じて待ち続けている。そんな折、領事シャープレスがピンカートンからの手紙を携えて訪れる。そこには蝶々さんにとって残酷な内容が書かれていた。そこに仲介人ゴローも現れ、経済的に困窮した蝶々さんに新しい求婚者として裕福なヤマドリを紹介する。ピンカートンが戻らないことを知るシャープレスは再婚をすすめるが蝶々さんは再婚の意思はないときっぱり断る。そしてピンカートンとの間に生まれた息子を紹介する。
港にアメリカの軍艦が着いた。夜通し待ち続けた蝶々さんは疲れ果て眠っている。そこにシャープレスがピンカートンと彼のアメリカ人の妻ケイトを伴ってやって来て、侍女スズキに蝶々さんに真実を告げてほしいと頼む。罪悪感に苛まれたピンカートンは部屋を去り、侍女スズキは蝶々さんにシャープレスは二度と戻らないことを告げる。全てを悟った蝶々さんは息子に別れを告げ自ら命を絶つ。
エレオノーラ・ブラット
ステファン・ポップ
オード・エクストレモ
蝶々さん:エレオノーラ・ブラット
スズキ:オード・エクストレモ
ピンカートン:ステファン・ポップ
シャープレス:クリストファー・モルトマン
ゴロー:カルロ・ボージ
ヤマドリ:アンドレス・カスカンテ
ボンゾ:ヴァルタン・ガブリエリアン
ケイト:ソフィア・アニシモヴァ
コーラスマスター:アレッサンドロ・ディ・ステファノ
パリ・オペラ座管弦楽団&合唱団
地域 | 劇場名 | 上映期間 |
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北海道 | 札幌シネマフロンティア | 2025/09/12(金)~ |
宮城 | フォーラム仙台 | 2025/09/12(金)~ |
千葉 | TOHOシネマズ 流山おおたかの森 | 2025/09/12(金)~ |
埼玉 | ユナイテッド・シネマ浦和 | 2025/09/12(金)~ |
東京 | TOHOシネマズ 日本橋 | 2025/09/12(金)~ |
東京 | イオンシアタス調布 | 2025/09/12(金)~ |
神奈川 | TOHOシネマズ ららぽーと横浜 | 2025/09/12(金)~ |
愛知 | ミッドランドスクエアシネマ | 2025/09/12(金)~ |
大阪 | 大阪ステーションシティシネマ | 2025/09/12(金)~ |
京都 | イオンシネマ京都桂川 | 2025/09/12(金)~ |
兵庫 | TOHOシネマズ 西宮OS | 2025/09/12(金)~ |
福岡 | kino cinéma 天神 | 2025/09/12(金)~ |
※上映時間について、公開日が近づきましたら上映劇場へ直接お問い合わせ下さい。