LE PARC
モーツァルトの音楽に彩られたクラシックとモダンの融合―
愛の規範と人間の感情の目覚めを探求した不朽の名作『ル・パルク』
『ル・パルク』は現代バレエで最も重要な振付家の一人であるアンジュラン・プレルジョカージュが1994年にパリ・オペラ座のために創作した。クラシックとモダンが絶妙に融合した傑作で、恋の国フランスらしい華麗な恋愛術の世界が魅惑的に描かれている。プレルジョカージュは「現代における愛とは何か」と自問自答しながら振付けしたという。パリ・オペラ座が創設された頃の啓蒙時代、「偉大なる世紀」と呼ばれた太陽王ルイ14世時代を舞台に、ロココ式の庭園での貴族の恋の戯れと駆け引きを描いた瀟洒な作品だ。プレルジョカージュは、モーツァルトの音楽を現代的にアレンジし、断続的な動きと官能的な奔流で構成された振付言語を導入することで、クラシック・バレエの伝統を打ち破ることを試みた。
気まぐれな恋愛遊戯を楽しむ貴族社会の中で、愛に臆病なヒロインと「彼女」を誘惑し、心を開かせる「彼」の心理的な距離が近づいていく様子を描いた本作。3つの印象的なパ・ド・ドゥ(デュエット)―「出会い」「抵抗」「解放」を通して少しずつ衣裳が脱ぎ捨てられて愛が目覚めていく様子が描かれている。特に終盤の「解放のパ・ド・ドゥ」は、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番第2楽章アダージョに合わせて、主人公二人がキスをしながら回転する崇高なまでに官能的な「フライング・キス」の場面が、2011年にエールフランスのCMに使われて有名になった。世界中のガラ公演でも多く上演されていて人気だが、全幕作品の中で心を徐々に通わせ、豪華絢爛なロココ衣裳を脱いで寝間着姿になった二人が想いを解き放つ場面として観ると新たな感慨がある。男装した女性たちが男性と繰り広げる椅子取りゲームではセンシュアルな駆け引きが時にユーモラスに描かれている。また各場面の冒頭に現れ、物語の狂言回し的な役割を担って「運命」を象徴しているような4人の庭師のどこか機械的な踊りなどの仕掛けも盛り込まれている。
(2021年3月9日・11日 パリ・オペラ座ガルニエ宮にて収録)
音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ
舞台デザイン:ティエリー・ルプルースト
衣裳デザイン:エルヴェ・ピエール
照明デザイン:ジャック・シャトレ
演奏:パリ・オペラ座管弦楽団
指揮:ベンジャミン・シュワルツ
ピアノ:エレナ・ボネイ
映像監督:ルイーズ・ナルボニ
【プログラム】
上映時間:1時間37分
※休憩時間はございません。予めご了承くださいませ。
庭園で貴族たちは駆け引きと椅子取りゲームに興じている。「彼」は男装した女性たちを物色し、「彼女」は無関心を装う。だが「彼」は「彼女」に気づいている。表向きは整然としているが、混乱を招く誘惑の駆け引きが始まった
「出会いのパ・ド・ドゥ」。「彼」は情熱的な一方で「彼女」は不安げだが、二人とも一緒の気持ちであることに気が付く。二人は会話を交わすが、「彼女」が失神するまでお互いに触れることをためらう。「彼ら」は、上品な社会のルールに忠実であり続けつつも、そこから抜け出そうともがいている。
女性たちは服を少し脱いでコルセット姿となり、もっと愛される予感を感じている。「彼女」は赤いドレスを着ていて、好奇心を持ちながらもまだ不安な気持ちがある。男性たちが現れ、そのうちの一人は「彼」だった。「彼」は別の女性と戯れ、相手を見つけられなかった男性たちはフラストレーションを踊りで表現する。
「抵抗のパ・ド・ドゥ」。庭師たちは目隠しされた「彼女」を庭園の木陰へと連れていく。「彼」は「彼女」の気を惹こうとするが「彼女」は拒絶する。「彼」は心も身体も「彼女」へと捧げようとしているが、「彼女」は結末を恐れている。もしかしたら体は許しても心は許せないのかもしれない。
「彼女」は悪夢にとらわれていて、庭師たちに操られている。
深夜に女性は失われた愛を嘆く。「彼」は欲望に燃え、他の男たちを煽る。
男たちの何人かは、女性がどれほど彼らに依存しうるか、あるいは依存するかを悟る。誘惑が時に男性に「足枷」をもたらすこともあるが、女性にとってはあらゆる結果——出産やそれによる死までも——が身体に深い痕跡を残す。
「解放のパ・ド・ドゥ」。「彼ら」が踊ると、それぞれが踏んでいたステップが一つへと癒合する。フライング・キスは愛についての最も見事な決意表明だ。でも愛が永遠に続くということを誰が信じようか。
エピローグ
空が暗くなって嵐が近づくと、庭師たちは最後のメッセージを伝える。
アリス・ルナヴァン
マチュー・ガニオ
| 地域 | 劇場名 | 上映期間 |
|---|---|---|
| 北海道 | 札幌シネマフロンティア | 2026/03/13(金)~ |
| 宮城 | フォーラム仙台 | 2026/03/13(金)~ |
| 東京 | TOHOシネマズ 日本橋 | 2026/03/13(金)~ |
| 東京 | イオンシネマ シアタス調布 | 2026/03/13(金)~ |
| 埼玉 | ユナイテッド・シネマ浦和 | 2026/03/13(金)~ |
| 千葉 | TOHOシネマズ 流山おおたかの森 | 2026/03/13(金)~ |
| 神奈川 | TOHOシネマズ ららぽーと横浜 | 2026/03/13(金)~ |
| 愛知 | ミッドランドシネマ | 2026/03/13(金)~ |
| 京都 | イオンシネマ 京都桂川 | 2026/03/13(金)~ |
| 大阪 | 大阪ステーションシティシネマ | 2026/03/13(金)~ |
| 兵庫 | TOHOシネマズ 西宮OS | 2026/03/13(金)~ |
| 福岡 | キノシネマ天神 | 2026/03/13(金)~ |
<料金:一般3,000円/学生2,000円(税込)>
※上映時間について、公開日が近づきましたら上映劇場へ直接お問い合わせ下さい。